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本当に君は総理大臣になれないのか?大注目の立憲・小川淳也議員に問う

異端の政治家は新しいリーダーになれるか
「地盤・看板・カバン」なし。野党で子分もいなくて、ほぼ無名。なのに、「将来の総理候補」として人気上昇中。
自称「日本を良くする政策オタク」。永田町でのアダ名は「修行僧」。そんな50歳の清貧代議士に、忖度&お世辞一切抜きの真剣勝負でインタビューを行った「本」が出る。
まずは仕掛人であるノンフィクション作家・中原一歩氏の「はじめに」をお届けする。
 

政治家らしからぬ政治家

こんな政治家を追いかけて本当に面白いのか──。

週刊誌の取材で衆議院議員・小川淳也を取り上げることに決まったとき、どうやって読ませる記事をつくればいいのか困ることになるだろうと思った。2019年の統計不正疑惑をめぐる予算委員会での活躍や、2020年の"出演"映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』のヒットなどが重なり、ネットの一部などでは「将来の首相候補」として話題になっているものの、永田町的にはほぼノーマークの存在である。

映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』予告編

初めて本人に会ったとき、「あなたの出自から、いまの政治に対する思いまで、すべてを丸裸にしたい。ただし、あなたの期待どおりの記事になるかはお約束できませんよ」とストレートに伝えた。小川の返事はこうだった。

「私のような者でよければ煮るなり焼くなりしてください。すべてお任せします。自由に好きなようにしてもらって結構です」

おいおい、こっちは週刊誌の記者だぞ。そんなに簡単に信用するなよ……と思った。そもそも政治家が使う「すべてお任せする」という言葉は信用できない。彼らは本業でもしばしば「表」と「裏」を使い分ける。「なんでも好きなように書いてくれ」と啖呵を切っておきながら、原稿確認の段階で、自分に都合の良いように適当なセリフを入れろと言ってきたり、インタビューそのものをなかったことにしろ、と無茶苦茶なことを要求してきたり──かつて別の政治家に取材した際に、何度かそのようなケースがあったので、小川もひょっとしたらその類の輩なのではないかと考えたのだ。

私は手始めに、小川の政治資金収支報告書を調べてみることにした。収支報告書というのは実に面白いもので、たとえ不祥事などは見つからなくても、「何にいくら使ったのか」を眺めるだけで、その政治家の生き方や考え方のようなものはだいたい把握できる。

政党支部、地元後援会、東京後援会、それぞれの収支報告書を取り寄せてみた。見事なまでに何の面白みもない文書だった。献金はほとんど個人の支援者によるもので定期的に5000円とか1万円といったものが大半を占め、会合もその多くが昼食代や弁当代で、2万円を超えるものはほぼ皆無である。行間から危険な香りがまったくしない。

後日、その感想を本人に伝えたところ、

「本物の仕事をするためには、自己規律が基本だと思っています。少々のことでは浮かれない。絶対に正道を踏み外さないと心に決めています」というお堅い返事があった。

一事が万事、こんな具合だった。

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