NHK提供

迫るマグマ…35年前の火山噴火、被災した少年がいま記者になって“伝えたいこと”

35年前の1986年。 

ハレー彗星の76年ぶりの地球接近に、今も続くヒットシリーズ「ドラゴンクエスト」の発売、海外では、チェルノブイリの原子力発電所(旧ソ連)で大事故が起きた年でもある。

その年の11月、噴火は起きた。

轟音とともに天を覆うマグマのカーテン――。

1986年 噴火で現れた「マグマのカーテン」/NHK提供

迫り来る溶岩。錯綜する情報に、焦りから声を荒げる大人たち…1986年11月21日に発生した伊豆大島の噴火災害。全島民1万人が一夜で島外に避難するという前代未聞の出来事は世界に報道された。その中の1人に当時10歳だった少年がいる。後に彼は「災害報道」を主戦場とするNHKの記者になる。「当事者」から「伝える側」へと立場を変えた。

 

災害報道は言わずもがなNHKにとってのレゾンデートルだ。「情報の出し方」、「タイミング」を1つ間違えば人命に関わる。そんな「一丁目一番地」を担うのが報道局社会部の災害報道担当デスク。そこに当時10歳だった彼、金森大輔氏はいる。

金森大輔氏/NHK提供

NHK災害報道担当デスクの“原点”

「緊急地震速報」「津波注意報」「噴火速報」「大雨警報」…NHKでは1年365日24時間、災害を速報する態勢を取っている。

私(金森大輔)が担う災害担当デスクは災害時や災害が予測される時にニュース原稿を作るため、取材を指揮し、記者が書いた原稿をチェックする責任者だ。自席があるのはパソコンやモニター、電話機に囲まれたニュースセンターの一角。

部下の記者だけでなく、テレビ・ラジオ・デジタルの制作担当者、全国の放送局からもひっきりなしに問い合わせや相談を受けるため、「フリーアドレス化」が進む局内でも自席が決められている。

金森氏の自席/NHK提供

24時間態勢で続く災害報道は災害班の出稿する原稿を縦軸に放送が続く。落ち着く暇などない。その情報ひとつで命や財産を救えない時があり、責任の重い仕事だ。そして災害が起きれば、昼夜を問わず速やかに駆けつけなければならない。はっきり言って激務だ。それでも続けられるのは、冒頭に紹介した原体験がある。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/