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“マスク”に覆われた不平等…「コロナ禍の教育格差」を直視しない“深刻すぎる”日本の実態

各国で学校の閉鎖や休校

新型コロナウイルスの感染拡大が私たちの生活に大きな影響を及ぼし続けていることは言うまでもない。欧米では多くの政府が都市封鎖(ロックダウン)という強硬手段を用いて、人々の移動を禁じた。自粛を中心に対応してきた日本に比べ、法的な強制力を伴うコロナ対策である。

その中には学校の閉鎖も含まれた。私が住んでいる英国においても、学校が閉鎖された。地域による若干の違いはあるが、1度目のロックダウンでは2020年3月から5月いっぱいまでほとんどの学校が閉ざされた。2度目、3度目のロックダウンでは2020年11月から2021年3月まで、学校が閉鎖された。

英国でも学校が閉鎖(一部の事情のある子どもを除く)/photo by gettyimages
 

英国に比べればはるかに感染者数が少ない日本でも、安倍前首相の要請に基づき、2020年3月から一斉休校に入り、5月中頃まで全国のほとんどの学校が閉ざされた。ただし、その後は、緊急事態宣言が出された都道府県でも、都道府県単位での一斉の休校措置がとられることはない。感染者数に大きな違いがあるとはいえ、他の先進国でとられた休校措置を、日本の学校は免れてきた。

休校措置の期間、先進国ではインターネットなどを利用したリモートによる教育への転換が図られた。拙著、『コロナ後の教育へ』でも指摘したが、2020年には日本でも小中学校の児童生徒一人に一台ずつ情報端末を渡し、リモートによる学習の促進を図る政策、「GIGAスクール構想」を前倒しで実施する措置がとられた。コロナ禍は日本の学校のICT対応の遅れを挽回する好機ととらえられたのである。

しかし、日本では休校期間が比較的短く済み、その後は対面授業に切り替わった。その結果、リモート学習普及のかけ声は尻つぼみとなった。「日常」を取り戻す上で、日本の学校は見事なほどのレジリアンス(強靱さ)を示した。

ただし、この日常への回帰は、学校再開後の教師にとっては、休業期間中の学習の遅れを懸命に取り戻すことを含んでいた。日常を取り戻し、学習の遅れを個々の教師の努力によって挽回する。学校現場の踏ん張り、現場頼りのレジリアンスと言ってよい。だが、この間、国や行政は何をしてきたのか。

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