# DX

パタゴニアはなぜ「サーモン」を製造販売するのか?そこからわかる「DXの本質」

石角 友愛 プロフィール

コアの再定義から始めよう

同社のアウトドアギア部門では、「サプライチェーン環境責任プログラム」を設けている。このプログラムの目的は、パタゴニアの製品および材料の製造による環境への影響を測定および削減することだ。

Photo by iStock

パタゴニアは世界中のサプライヤー施設で環境責任プログラムを実施し、環境管理システム、化学物質、水使用、水排出、エネルギー使用、温室効果ガス(GHG)、その他の大気排出および廃棄物を含む幅広い影響領域をカバーしている。この理念をフードサプライチェーンの管理にも導入して、環境に優しい食品を消費者へ届けているというわけだ。

パタゴニアのファウンダーであるイヴォン・シュイナードはウェブサイトでフードビジネスに参入する理由をこのように述べている(著者訳出)。

私たちは、食品を通じて新たな未来に向けた一歩を踏み出したいのです。新たな未来とは、利益だけを求めて環境を枯渇させるような方法ではなく、むしろ地球を蘇らせるような環境に優しい方法で栽培された風味豊かで栄養価の高い食品で満たされた未来です。

そしてそれは、食品が「健全な土壌」「動物福祉」「農業へ従事する人々」を守る方法で生産されていることを保証する「環境再生型オーガニック認証(ROC:Regenerative Organic Certification)」が広く採用される未来でもあります。

要するに、私たちが目指すフードビジネスは、環境問題を引き起こすものではなく、むしろ環境問題解決の一端を担うものなのです。

パタゴニアの例からわかるように、コア=事業とは限らない。

その事業を実現し成功させるのに必要な要素を因数分解したときに、会社の強みになっているもの。それこそがコアであり、そのコア部分にデジタライゼーションを起こすことで生まれる変革こそがDXなのである。

 

DXのスタートラインは、この「コアの再定義」と「コアのデジタル化」にある。

ちなみに、フォードのCEOは、このDX化を「survival of the fittest」と表現している。ダーウィンが提唱した「適者生存」である。

「コアの再定義」と「コアのデジタル化」を実行することによって、新しい時代に生き残る“適者”になることができるというわけだ。

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