# DX

パタゴニアはなぜ「サーモン」を製造販売するのか?そこからわかる「DXの本質」

石角 友愛 プロフィール

あなたの会社のコアは何か?

それでは、マイケル・ジョーダンにとってのバスケットボールは、あなたの会社にとっての何にあたるだろうか。

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たとえば自動車メーカーにとって、今の「コア」は「自動車を製造すること」だろう。しかし、10年後、20年後にモビリティ革命が起こったとき、その会社のコアは、本当に「自動車を製造すること」だろうか。

10年後には、その会社にとってのコアは「モノや人を移動させること」になっているかもしれない。

このように「会社にとってのコア」を再定義し、それをデジタル化することが、DXの本質である。

もし、「会社にとってのコア」を「自動車を製造すること」だと定義してしまうと、その会社におけるDXは、「自動車を製造するプロセスをデジタル化すること」になる。すると、RPA(製造工程の自動化)や、かんばん方式(工程間の無駄を減らす手法)をどうデジタル化するかといった発想になっていくだろう。

しかし、自動運転が当たり前になり、世界中でスマートシティ化が進む時代に自分たちのコアは何かと考えると、何をデジタライズしなくてはならないかということも、再定義できるはずだ。

最近の例でいうと、私が注目している会社にアウトドアギアやキャンプグッズを製造販売するパタゴニアがある。

日本でもアウトドア好きな人には有名なブランドだが、この会社のコアを「アウトドアギア製造販売」としてしまうと、会社の全体像の半分しか見ていないことになる。

 

パタゴニアで今注目されているのが「パタゴニアプロビジョン」という食品部門だ。キャンプでよく食べられるナッツミックスやエネルギーバーだけではなく、サーモンやムール貝、豆なども製造販売しているのがこの部門である。

ここで読者の皆さんは、「アウトドアギアの会社がなぜサーモンを?」と思うかもしれない。しかし、ここにはアウトドアギアとフードをつなぐ重要な共通項がある。

実はパタゴニアのコアは「サステナブルなサプライチェーンマネジメントに基づく製造販売」なのである。

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