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パタゴニアはなぜ「サーモン」を製造販売するのか?そこからわかる「DXの本質」

今、空前のブームとなっているDX(デジタルトランスフォーメーション)。しかし、その本質を理解している人は少ないだろう。シリコンバレーを拠点に活躍する起業家で、著書『いまこそ知りたいDX戦略』を出版した石角友愛氏は、「DXは単なるデジタル活用ではない」と強調する。本当の意味でのDXとは何か、石角氏に解説してもらった。

本当の意味でのDXとは?

DXとは、ツールの導入を行うといった局所的なIT導入のことではなく、デジタル技術を採用した根本的なビジネスモデルの変換を指す。そもそもトランスフォーメーションという言葉自体が変身、変革という意味である。

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このことをわかりやすく説明しているのが、キャズム理論を提唱したことで知られるジェフリー・ムーアが執筆した『Dealing with Darwin』(邦訳『ライフスタイル・イノベーション』翔泳社、2006年)という書籍だ。

この書籍の中で、ムーアは、「会社は、コアとコンテクストに分けて考えなくてはならない」と書いている。

たとえば、マイケル・ジョーダンにとっての「コア」は、バスケットボールである。

一方、「コンテクスト」は、マーケティングやプロモーション、商品化などを指す。「エア・ジョーダン」のような商品はコンテクストだし、最近ではネットフリックスで「ラストダンス」という、マイケル・ジョーダンのドキュメンタリーが制作されたが、これもやはりコンテクストだ。

マイケル・ジョーダンの周辺にはたくさんのコンテクストがあるのだが、彼のコアは、どこまでいってもバスケットボールである。バスケットボールがなければ、コンテクストのマーケティングビジネスも、商品プロモーションも成立しない。

これを、会社に置きかえてみよう。

 

会社にとって本当の意味でのDXとは、このコアの部分をデジタライズすることを指す(シリコンバレーのAIカンパニーで、2020年に上場したシースリーエーアイの創業者でありビリオネアでもあるトーマス・シーベルは、これを「Digitalizing core is a true transformation」と表現している)。

マイケル・ジョーダンにとってのバスケットボールにあたるものをデジタル化するのが、本当の意味でのトランスフォーメーションだというのだ。

私が、「DXとは、オペレーションをデジタル化することや、デジタルツールを導入することではない」とお伝えする理由をわかっていただけただろうか。

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