『機動戦士ガンダム』 ハリウッド実写映画化に見る“世界戦略”

アニメビジネスの「未来を占う」
数土 直志 プロフィール

海外売上げが半分 「ガンプラ」の可能性

実写映画に加えて20年代の米国再進出の鍵を握りそうなのが、「ガンプラ」だ。ガンプラはガンダムに登場するモビルスーツと呼ぶメカなどのプラモデルのことで、1980年の発売開始当時の過熱化したブームは一般紙に取り上げられるほどだった。

 

それがいま、アジア地域で売上げが絶好調である。もともとアジアは北米やヨーロッパに比べてガンダム人気が高かったが、市場の成熟と共に商品展開でも重要な地域となってきた。特にガンプラづくりのコンテストが開催されるなど、その盛り上がりは日本と同様だ。

ガンプラはバンダイの主力商品のひとつで累計販売数は4億個を超え、19年度の年間生産数は3000万個以上にもなる。現在その売上のおよそ半分が海外需要だという。

このガンプラのムーブメントを米国にも広げようとする戦略が着々と進んでいる。バンダイナムコは18年に米国のコアファン向け玩具流通のBLUEfinの事業を買収したが、21年4月にこれをマスマーケット向けの自社流通会社と合併した。この結果「ガンプラ」をはじめとするコアファン向けの玩具がウォルマートといった大型量販店の棚に並び始めている。

バンダイナムコは「ハイターゲット」と呼ぶコアファン向け商品の大衆化を目指す。映像作品とライセンス商品を連動させて市場を拡大するアニメビジネスは、日本のエンタメ企業の得意とするところだ。ガンダムシリーズの実写作品の着手は、その一歩になる。米国での体制は整いつつある。

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