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まだ英語社内公用語化? 日本企業が「真の国際化」のために今すべきコト

実施企業の国際感覚の欠落

ファーストリテイリングと楽天

2019年7月30日の「『英語の社内公用語化』ブームが、ひそかに大失敗に終わりそうなワケ」で述べた、馬鹿げているとも言える「英語社内公用語化」を実施している企業はいまだに存在する(自然消滅した企業も少なからずあるようだが……)。

この「英語社内公用語化」が世間で騒がれ始めたのは2010年前後であるが、その「ブーム」の先陣を切って積極的に導入したのがファーストリテイリング(ユニクロ、2012年3月実施を表明)、楽天(2012年7月から実施)の2社である。

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その後、多くの企業が続いたが、結局前記「『英語の社内公用語化』ブームが、ひそかに大失敗に終わりそうなワケ」の見通しが現実のものになったといえよう。

しかし、ただ失敗に終わっただけならば、「無駄なことのために、資金、資源、人材を浪費した」というだけであるが、その悪影響はもっと深刻であると思われる。

この悪影響は多くの企業で出ているはずだが、5月31日公開の「日本企業はなぜ中国と手を切らないのか―やがて身ぐるみ剥がれるのに」3ページ目「社内英語公用語化を進める『田舎者企業』」で取り上げたファーストリテイリングの場合、かなり深刻だ。

国際感覚が無いから「英語社内公用語化」を進めたのか、それとも「英語社内公用語化」が国際感覚を鈍らせたのかという「鶏と卵の関係」は定かではないが、その人権感覚の欠如ぶりや国際政治の力学に対する鈍感さは驚くほどである。

さらには、「ユニクロ」のセルフレジを巡り、IT企業の「アスタリスク」が持つ商品識別関連特許の有効性が争われた訴訟で、知的財産高裁が5月20日に、特許は有効と判断しファーストリテイリング側の主張を退ける判決を言い渡した。

しかも、この「アスタリスク」はユニクロが開催したレジコンペでその技術を披露していたとも伝えられる。詳細な経緯は不明だが、小さなIT企業がユニクロのような巨大な相手に訴訟を挑んだのには「それなりの理由」があると考えられる。

また、楽天は3月末に、中国IT大手テンセントの子会社から、発行済み株式総数の3.65%に相当する約660億円の出資を受けた。

私があえて述べるまでもなく、共産主義中国(企業)との関係は特にIT・通信関係において「安全保障上の重大な問題」になりえる。日本政府もそうだが、それよりも米国政府から「レッドランプが点灯した企業」として、これから厳重な監視を受けるであろうことが分からなかったのであろうか?

 

また、楽天の20年12月期連結決算は、最終利益が1141億円の赤字(前期は318億円の赤字)となっている。2期連続の最終赤字で、赤字額は2000年の上場以来、最大だ。

三木谷氏が新たに携帯電話ビジネスに参入したのは愚策だと思うが、その基地局整備など携帯電話事業の先行投資が重荷となったとのことだ。

しかし、「英語社内公用語化」企業の悲惨な末路はこれだけではない。

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