矢島和郎氏(左、飛鳥新社)と上阪徹氏(右)写真/松浦裕香里
2021.06.04
# 読書

家族や同僚、自分もHSP?『「繊細さん」の本』が50万部売れたワケ

一冊の本が社会にHSPの認知と居場所を作った
「繊細さん」という言葉を目にしたり、聞いたりしたことはないだろうか。2018年に初版6000部で刊行し、10万部売れたらベストセラーとされる中で50万部を突破した書籍『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(武田友紀著)で広く一般に知られるようになった言葉だ。これまで「敏感すぎる人」と訳されてきたHSP(Highly Sensitive Person、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念)を、著者・武田氏が親しみを込めて「繊細さん」と言い換え、かれらがその繊細な感性を大切にしたままラクに生きる方法を書いた一冊。3年をかけて異例の広がりを見せたのはなぜなのか、この本は社会に何をもたらしたのか。「上阪徹のブックライター塾」で行われた上阪氏のインタビューで、飛鳥新社の担当編集者である矢島和郎氏が経緯と思いを語った。

実は5人に1人いるHSP

上阪:なんと言っても「繊細さん」というネーミングが素晴らしいですが、そもそも自分がHSPだと気がついていない人が大勢いるのですか?

矢島:はい、HSPに該当する人は5人に1人と言われています。かなり多い人数だなと、まず驚きました。私が初めてHSPの概念を知ったきっかけは、刊行のちょうど1年前、2017年の夏ごろにTwitterで話題になっていたことです。漫画をつけて「私、これだ」とツイートした方がいて、「HSPっていうんだよ」と。それが2〜3万くらいリツイートされていき、NHKのテレビ番組「あさイチ」にも取り上げられました。

上阪:これは何だろう?と。

 

矢島:「相手が気を悪くすると思うと断れない」「細かいところまで気づいてしまい、仕事に時間がかかる」「まわりに機嫌悪い人がいるだけで緊張する」「疲れやすく、ストレスが体調に出やすい」というHSPの特徴を『「繊細さん」の本』の帯に載せているのですが、これはカウンセラーとして600人以上のHSPの方とお話ししてきた著者の武田友紀さんが、「この4つだ」と選んだものです。HSPという言葉を認識していなくても、この4つに思い当たる人は多かったのではないでしょうか。

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