世界には循環のためのどのような取り組みがあるのか。今回は、各国で深刻なフードロス対策に注目した、最新のトピックを紹介します。

廃棄される食材から作る、
ヘルシーな食を誰にでも。

アメリカ/Feed the Mass​

1日数百食からスタートしたプログラムも、今や1日1500食以上に。食事を得るために失業証明などは不要。誰にでもオープンであることも彼らの信条だ。

非営利団体〈Feed the Mass〉は地元スーパーに併設されるコミュニティキッチンで、主に低所得層に向け手頃な価格の料理教室を提供していた。しかし、コロナのパンデミックの影響を受け、活動は停止を余儀無くされる。同時期に、休業せざるを得ない多くのレストランや卸先を失った農家から大量の廃棄食材が出ていることも知る。

一方で、何万人もの人が職を失い、食糧難に直面。その双方を目の当たりにしたファウンダー、ジェイコブセン・ヴァレンタインは廃棄される食材の寄付を募り、料理教室は無料の食事を届ける組織へと変貌を遂げたのだ。ポートランドには廃棄食品を再利用し、無料の食事を配布する団体が他にもあるが、彼らがそれらと一線を画すのはその質にある。

「無料の食事というと炊き出しを想像されがちですが、私たちのメニューはヘルシーで栄養価が高く、見た目にも美しい。またベジタリアン向けなど、オプションにも富んでいます。その背後には、地元の一流シェフたちの助けもあるのです」。

いかなる人にも健康な食事にアクセスできる権利は平等にある。それがより良いコミュニティの基本なのだ。
www.feedthemass.org

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道端に現れた、
みんなのフリー冷蔵庫。

アメリカ/PDX Free Fridge

アーティストがペイントしたり、大工が屋根を設置したり。中身もいろいろ。各冷蔵庫に“個性”がある。

「不要な食材を入れてください。必要な食材を持って行ってください。誰でも、ご自由に」。そんなメッセージと共に、今夏からポートランドの道端に突如、現れた冷蔵庫。2020年11月末時点で、市内近郊17ヵ所に点在する。一体、誰がどうやって始めたのかと聞けば、主動的な人物はおらず、口コミでコンセプトに共感した人が繋がりあって始めたのだとか。

清掃や設置、食材の管理など、役割は多岐にわたりながらも、そこには義務もルールもなく「できる人ができることをやる」という有機的草の根活動。メンバーは全員30歳以下の若者たちで、アノニマスに運営されているという点も興味深い。また、ポートランドのみならず、全米やEU各地でも同様の取り組みが行われ、ネットワークもあるのだとか。
@pdxfreefridge