# 音楽

『ボヘミアン・ラプソディ』、ラストまで「仕掛け」だらけの凄い映画だった!

「コンプレックス・ソング」の魅力とは
菅原 裕子 プロフィール

劇中に流れる多くの楽曲(実際に登場するのは21曲にのぼる)が、映画にとってのAメロ、Bメロの役割を果たす。この映画が人気を博した理由は数多あるだろうが、全編に散りばめられた楽曲の魅力がまず挙げられることは言うまでもない。そしてその量もバリエーションも豊かである。

以下、ほんのごく一部であるが、華麗な音楽とそこに彩られた物語を簡単に紹介しよう。むろん映画はフィクションであるのですべてのシーンが史実通りというわけではないが、それぞれの場面で奏でられる曲が物語を紡ぎ、それらが相まって一つの映画版「コンプレックス・ソング」を作り上げている。

■Somebody to Love

映画のオープニング、フレディがライヴエイドの会場に向かう一連のシーンで流れる曲で、劇中でフレディが歌うのではなくBGMのようにかかるのが特徴的だ。

 

「誰か愛せる人を僕に探して」という渇望の叫び。フレディの心を象徴するようなこの歌詞は、これから始まる物語の内容を予見するようでもある。フレディの半生はもしかしたら、愛を求め、時にはそれを疑い、失い、そして獲得することの連続だったのかもしれない。

 

■Bohemian Rhapsody

「ボヘミアン・ラプソディ」の制作・録音に関わるシーンは本編の目玉。ディテールが丁寧に描かれ、音楽ファンも満足すること間違いなしだ。

 

それに先立ち、恋人メアリーのために少しだけピアノで弾いてみせるシーンも印象的だ。ピアノの下に2人寝そべったままフレディが鍵盤を叩く。手を交差させた不自然な姿勢から途切れ途切れに発せられる旋律が、この曲のちょっと奇妙な雰囲気をほのめかす。同時に、未完成らしきものをメアリーだけに聴かせていることから、これが2人の親密さの証であることもわかる。

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