『ハリー・ポッター』にも登場する“羊皮紙”、現実で作ると「めちゃ割高」だった!

完成まで、最低でも3週間かかる高級品
八木 健治 プロフィール

ファンタジーのリアルなお値段

この1頭分の羊皮紙からA4サイズの用紙は何枚採れるのだろうか。羊皮紙の出来上がりサイズは、元の動物の大きさに左右される。生後間もない子羊と、数年を経たおとなの羊では当然大きな隔たりがある。

価格約3000円の原皮は総じて面積が小さいため、平均的にはA4サイズ4枚程度しか採れない。さらに、形がいびつだったり、作業途中で穴が空いたりすると4枚採ることさえままならない。

大きな穴が開いてしまった羊皮紙(筆者提供)
 

さて、こうしてできた手作り羊皮紙は、金額にして一体いくらになるのだろう。ここでは、組織として価格に上乗せする利益や作業場所の家賃などは考慮に入れず、あくまで材料費と作業にかかった人件費のみで試算してみよう。

羊皮紙づくりには3週間ほどを要するが、石灰水浸けの放置期間が長いため、実作業時間のみをカウントすると約5時間となる。時間あたりの工賃をざっくり1500円と仮定すると、全体で7500円。原皮コストの3000円を加算すると、1万500円となる。水道代や消石灰代、原皮の送料などを含めて合計1万2000円としよう。

1頭分からA4サイズが無事に4枚採れたとすると、A4サイズ1枚の値段は3000円だ。普通のA4コピー用紙1枚の値段が1円程度と考えると、羊皮紙はその3000倍。仮に100枚パックにした場合は30万円。税込み総額表示だと1パック「33万円」となる。

A4サイズ100枚分の羊皮紙(筆者提供)

現代こそが「ファンタジー」だ

羊皮紙しかなかった中世ヨーロッパにおいて、この価格はファンタジーどころではなく超現実的な問題だった。羊皮紙を自作せずに文具屋で買う場合は、流通過程でマージンが上乗せされてさらに高額となってしまう。でも、書かねばならないことがある。伝えたいことがある。

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