パナソニック「4000万円早期退職」、ついに「タダのおじさん社員」が生き残れない時代へ…!

加谷 珪一 プロフィール

リクルートワークス研究所の調査によると、日本国内には会社に勤務しているにもかかわらず、実質的に仕事がないという、いわゆる社内失業者が400万人も存在しているという。これは日本の全正社員の1割に達する規模である。

生産性から得られる理論値においても、実地による調査結果からも、日本企業が過剰雇用を抱えていることは明らかである。雇用が過剰であれば、1人あたりの賃金も下がるので、これが日本の低賃金に拍車をかけている。ビジネスモデルを抜本的に変えて、超高収益体質にでも転換できない限り、今のままでは賃金は上がりようがない。

 

政府による生涯雇用の義務付けがダメ押しに

日本企業が過剰雇用で低賃金だったのは、大手企業を中心に、ある程度まで終身雇用が保証されていたからである。企業が定年まで雇用を保障する場合、その間には何度も好景気や不景気、あるいは時代の変化がやってくる。好景気の時や、時代が変化した時には採用を増やす必要があるが、不景気の時に人員整理はできない。結果として終身雇用を維持する企業は、徐々に組織が肥大化していく。

平成の時代までは企業の業績も伸びていたので、何とかなっていたが、平成後半から令和に入り、いよいよこの制度が機能不全を起こし始めた。困った事に、今後、日本企業の人員肥大化はさらに加速すると予想されている。その理由は政府が企業に対して事実上の生涯労働を義務付けたからである。

2021年4月、企業に対して70歳までの就業機会確保を努力義務とする改正高齢者雇用安定法が施行された。すでに企業は、希望する社員について65歳まで雇用することが義務付けられているが、4月1日以降は、70歳までの就業機会の確保が努力義務になった。あくまでも雇用ではなく就業機会の確保であり、現時点では「努力義務」に過ぎない。だが大手企業にとっては、事実上の生涯雇用の義務化といってよいだろう。

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