2020年6月3日(筆者撮影)

日本からは見えないBlack Lives Matter運動のリアル…実際に参加してわかったこと

ミネアポリスに光が戻りつつある。アメリカ中西部に特有の厳しい冬の曇天が明けたというだけではない。全米各地の動向と同様ミネアポリスでもコロナワクチンの摂取者が確実に増えていることは明るいニュースだろう。

そこにきて今年4月19日にデレク・ショーヴィン裁判で被告に対して有罪評決が下され、5月25日には全米規模でジョージ・フロイド氏の死亡事件の1周年を記念するイベントが開催された。街ゆく市民の顔つきに安らぎが感じられる。

本稿では、2020年5月末から6月にかけてミネアポリスにてBLM(Black Lives Matter)の抗議活動に3回参加した経験と、事件現場である「カップ・フーズ」(とその近辺)を訪問して得た見聞を紹介したい。

〔PHOTO〕gettyimages
 

抗議活動の舞台となった第3管区で鬼気迫る市民の抗議活動をCNNで眺めていたことで、著者も「今ここ」で何が起こっているのかを理解したいと思っていた。SNSによる情報の錯綜により真偽不明な状況にあった当時、自分の眼で事態を把握したいと思ったのは自然な流れだった。

とはいえ、投石や火炎瓶が飛び交い州兵や警察部隊が出動していた現場を訪問することは危険だった。また、留学生はデモに参加するべきではないという声も現地で聞いていた。穏健志向の抗議活動が暴力行為に転化する可能性も大いにあり得たし、警察に拘束された場合ビザの問題に関わり、最悪の場合強制送還になる可能性もあった。

筆者の知る範囲でアジア系の留学生がBLMに参加した形跡があまり見られなかったのは、このことと関係しているのかもしれない。実際、大学のオンライン授業の在り方をめぐって、同年7月にトランプ政権が留学生に対して国外退去を迫ったことを思い起こせば、「留学生は波風を立てないようにするべきだ」という意見はそれなりに妥当だったと言える。

そんな折に、たまたま目に入ってきたものがヘネピン郡政府センターと事件現場近辺で抗議集会を行うというフェイスブックの投稿だった(5月28日と5月30日)。これが筆者にとって最初のBLM運動体験である。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/