つらい、苦しいと感じたら治療の選択を

今週、女優の深田恭子さんが「適応障害」でしばらく休養するというニュースが入った。15歳の若さでデビューし、厳しい芸能界で、人気も美しさも保ちながら第一線で活動を続けてきた深田さん。常に評価され、ベストを求められる生活は過剰にストレスを抱えることも多い。

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しかし今回よかったのは、そんな深田さんの変化に気づき、深田さん自身が治療と休養という選択ができたことだ。

メンタルケアで重要なのは、苦痛を放置せずいかに早く治療に結び付けるかということです。セラピーや投薬の治療だけでなく、深田恭子さんのように仕事から休む、学校を変える、嫌なことを言う人にやめて下さいという、などの変化も重要です。

昔よりは改善されてきたとはいえ、今も精神疾患または、精神医療の治療や投薬には偏見がある方も多く、二の足を踏んでしまったり、まさか自分が、あの人が、と治療にたどり着けないケースは少なくありません。どんな人でも鬱状態にはなり得るのです。

私は、現在アメリカの医療機関で仕事をしています。さまざまな研究データなどを見ると、日本を含める東アジア諸国はメンタルヘルスに問題を抱えやすい傾向にあります。若い世代の自殺率も高く、アメリカでも15~24歳の東アジア系の女性に自殺率は、2番目に高いと言われています。

その中でも、日本人は『恥』や『自責』を抱え込みやすく、それによって過度なストレスを感じやすい。私自身も日本人なので、そういう部分も日本人の良さであることはよくわかるのですが、ストレスを感じる環境下になると、その恥や自責が鬱状態を悪化させて、治療に結び付かないケースも少なくありません」

こう話すのは、ハーバード医学部助教授、マサチューセッツ総合病院(MGH)の小児精神科医で小児うつ病センター長の内田舞医師だ。

アメリカは日本に比べて、精神心理療法などのセラピーが進み、日本よりも気軽にそういったメンタルヘルスを利用しているイメージがある。しかし、在米の日本人は他の出身者よりも利用者が少ない印象があるという。対処する方法があっても、メンタルヘルスの情報やルートがわからず、治療に結び付かないケースもあるという。その中でも特に、内田医師が専門とする小児や若い世代で、そのケースが多いと感じているという。

そんな子どもや若い世代のメンタルヘルスの重要性を知ってほしいと、内田医師は先日、YouTubeで『A Mental Health Conversation With Mirai NagasuI(長洲未来とメンタルヘルス対談)』というタイトルで動画を5回連載で配信した。その内容を要約してお伝えしたい。

右が内田舞医師、左がフィギュアアスケート選手の長洲未来さん。写真提供/内田舞