自衛隊接種予約システム大混乱?国に個人情報管理させないからでしょ

接種効果も削ぐ何たる情報アナキズム
山本 一郎 プロフィール

騒ぎは方向性が違う

これらのデータ活用において、政府が手足を縛られた状態になっているところで、自衛隊の接種予約システムに不備があると言って批判をされるのは、なかなか酷なのではないかと思います。

ところが、これらのデータ活用の不備について、いきなり朝日新聞系のAERAが手口情報付きで記事を公開し、ネットに問題をばら撒いてしまいました。

毎日新聞や日経新聞もよせばいいのになぜか追随し騒動は大きくなりましたが、もちろん一般的なシステム開発として「まさか適当な数字を突っ込んで予約が取れてしまうシステム」を国が作り、「うっかり先に予約した他の人の接種券番号と同じだったら、先の予約が消えてしまう」問題を起こすなんてことは思わなかったわけですよ。

手口情報と言っても、適当に入力したら予約が取れてしまうという程度の低い内容をAERAは報じたに過ぎないという点で、AERAのやり方は「行儀は悪いけど適法」だったろうと思います。

そこへさらに、頭に来た防衛省が、AERAなど一連の報道に対して「抗議」してしまいます。いや、それは、防衛省は仕様だったんだから、その仕様の内容について問題点を報じたAERAに文句を言っても仕方がないだろうと思うのですが、とにかくムカついたのか抗議をしてしまいました。

そこへさらにさらに、問題を聞きつけて一言言いたい人たちが、おのおの「正しいと信じること」をネットにぶちまけるフェーズへと発展します。例えばジャーナリストの江川紹子さんは「『ワクチン予約システムに欠陥』~この報道は犯罪?不適切?~メディアへの抗議や批判を検証する」という記事を発表し、他方、カドカワ社長の夏野剛さんはネット番組で自衛隊の擁護を繰り広げ、自衛隊の予約システムを巡ってはデータの取り扱いの政府方針と短期間開発の接種システム問題とそれを巡る報道姿勢という、すべてまったく別個の問題が一緒くたに扱われ、大騒動へと発展していってしまいます。どうしてこうなった。

 

結論としては、朝日新聞で取材に応じた情報法制研究所の高木浩光さんが語った内容がほぼすべてで、現地で接種券を確認して対応することを前提とした運用面で予約システムの「仕様」の問題については解決するやり方で終わるものだろうと思います。

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