自衛隊接種予約システム大混乱?国に個人情報管理させないからでしょ

接種効果も削ぐ何たる情報アナキズム
山本 一郎 プロフィール

「消えた年金」もマイナンバーも

思い返していただきたいのですが、日本の社会保障制度の根幹を担う年金支給問題で、旧社会保険庁が年金給付の在り方について、長年誤りを続けながらもなかなかそれを正すことができなかった事件は、新たな年金手帳の発行や日本年金機構という看板の掛け替えで何とか再出発に漕ぎ着けました。

ただ、これもまた、国民の情報を政府が把握することへの嫌悪感から、日本人のデータを国が一括管理することができないというところから起きている不合理、非効率な行政サービスの代名詞になっています。

同様に、日本人の個人の健康情報(PHR;パーソナル・ヘルス・レコード)は長年、各医療機関が個別に患者情報として管理されてきたものを、厚生労働省がレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)として統括管理されるようになりました。

ただし、これらのデータは機微情報の塊であるがゆえに、医療機関や民間の研究機関がおいそれとデータにアクセスすることはできない仕組みになっています。

最近になってようやく、厚生労働省による「データヘルス集中改革プラン」として2年間の工程表が発表され、また、マイナンバーの下に国民の健康情報や口座番号などの個人に関する情報をぶら下げられる仕組みを作ろうという動きになっていました。

そういう話をしている矢先に緊急事態宣言のような国民の生活にダイレクトに悪影響を及ぼし、多くの感染者が重症化したり、亡くなってしまう悪質な感染症に見舞われたため、どうにもならない状態に追い込まれたというのが実態です。(厚生労働省「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プランについて」)

 

やろうとしている矢先に、必要な局面が突然やってきて、すべてが間に合わなかった、というのが今回の保健所などを統合したデータシステムHER-SYS、ワクチン接種円滑化システムV-SYSやワクチン接種記録システムVRSの問題点ではなかったかと思います。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/