Photo by iStock
# 教育

月80〜90時間の残業は当たり前?「世界一忙しい日本の教師」を救うヒント

5つの仕事をやめてみよう
授業以外にも部活や事務仕事に時間を割かなければならず、月に100時間近い時間外労働をする人もいる……教師の過酷な働き方については度々報道され、文部科学省が始めた「#教師のバトン」プロジェクトでも、現場の悲痛な声が明らかになったのは記憶に新しい。「世界一忙しい」とも言われる日本の教師の負担を少しでも減らすことはできないのか。
若手教師の働き方』(東洋館出版社)の著書を出版したばかりで、小学校講師・教育ライターでもある須貝誠氏が解説する。

「しなくてもいい仕事」が教師を忙しくしている

夫婦共働き教師の場合で、小さい子どもさんが電話口に出る。「お父さんはまだ学校から帰ってきません」「そう。では、お母さんに代わってください」「お母さんもまだ学校から帰ってこないの」泣きそうな声である。時間はもう九時を過ぎようとしている。「ごはん食べたの」「うん。パン、食べた」「えらいね。お留守番していて」
(『いきいき教師の仕事術』家本芳郎著 学事出版 より)

冒頭で紹介したのは、共働き教師の一部を切り取ったエピソードだ。現実の話である。夜の9時になってもまだ学校にいる。残業しているのだ。

このような教師の過酷な働き方の実態は、文部科学省が3月下旬に始めた「#教師のバトン」プロジェクトでも明らかになっている。

NHKの報道によれば、月に80時間、90時間の時間外労働をする教師の存在や、OECD=経済協力開発機構が実施する世界各国の教員の勤務実態などの調査(2018年)で1週間あたりの勤務時間は56時間と、調査に参加した48の国と地域の中で、最長だったことがわかっている。

 

では、教師はどんなことで残業しているのか。何が教師の仕事を忙しくしているのか。テストの採点、翌日の授業準備、授業以外の事務仕事などだ。事務仕事のなかには、これは本当に教師の仕事なのかと思うようなものある。「しなくてもいい仕事」までしている。

「子どもに関わること」が教師の本来の仕事だ。授業や親との面談などである。学校には、事務職員がいる。だが、学校によっては事務職員の仕事と思えることまでする。例えば、給食費や給食に使う材料に関わる仕事だ。

子どもと関わる給食指導(給食の準備から片付けや正しい手洗いの仕方、配膳方法、食器の並べ方、箸の使い方、食事中のマナーなどを教える場面)が教師の仕事なのはわかる。

Photo by iStock

だが、給食の材料をどの業者から買ったかまで書類にまとめ、銀行にその代金を振り込みにまで行くこともある。授業のある午前中に、空き時間を使って行く。銀行は3時までだ。午前中に行く。銀行が混んでいれば、次の授業に間に合わなくなるかもしれないが、行く。

また、どの学年のどこの家庭が給食費を支払っていないか確かめ、支払っていない家庭に請求書を教師が作る。その家庭に子どもを通して渡す。これらは、本当に教師の仕事なのだろうか。

関連記事

Pick Up

編集部からのお知らせ!

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/