ミャンマーで今「外国人ジャーナリスト」が次々と拘束されている理由

反軍政情報はすべて「偽りの報道」容疑
大塚 智彦 プロフィール

軍政はクーデター後のミャンマー情勢を伝える独立系反軍メディアなどによる「激しい人権侵害が起きている」という報道を否定する目的もあり、CNNの記者とクルーを3月31日にヤンゴン入りさせて、当局の監視の下で取材活動を行った。

ミャンマーのメディアなどによると、CNNがヤンゴンなどでインタビューした一般市民6人がその後当局によって拘束されたというように、外国メディアの取材、情報発信に対して軍政は過敏なまでに神経を尖らせている。

ダニー氏が拘束された24日は、2月1日以降軍政に拘束されていたアウン・サン・スー・チーさんの公判が開かれ、その映像が初めて公開された日でもあり、この前後には複数の日本メディアもヤンゴンやネピドーを取材した。当然、軍政からの取材許可を得ての活動だった。

Gettyimages

日本人記者も拘束、釈放

ミャンマーで活動していた外国人ジャーナリストに関しては、元日本経済新聞社記者の北角裕樹氏が、クーデター直後の2月26日にヤンゴン市内の反軍政デモを取材中に治安当局者に連行されて一時身柄を拘束されたが、この時は同日中に釈放された。

北角氏はその後もインターネットを中心にミャンマー情勢を市民の側に立って報道し続けていたが、4月18日、ヤンゴン市内の自宅で再び治安当局に拘束され、家宅捜索も受け、書類などが押収された。

治安当局は北角氏が偽りのニュースを伝えたとして起訴し、いずれ公判が開かれる予定だったが、日本政府や日本・ミャンマー関係団体などの働きかけもあり、5月14日に起訴は取り下げられ、釈放。北角氏は日本に無事帰国することができた。

ダニー氏の拘束理由はこれまでのところ明らかになっていないが、反軍政の市民の動きなどを中心に報じてきたことから、北角氏同様「偽りの報道」容疑に問われて訴追される可能性が高い。

 

軍政の動きを好意的に伝える国営放送局以外が、軍政に「都合の悪い」ニュースや「反軍政市民運動」や軍との交戦が激化している「少数民族武装勢力」の動きなどを報じれば、その全てが「偽りの報道」と解釈されて、記者やメディアへの弾圧の口実になるのはもはや自明の理となっている。

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