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ドイツが突然「自動運転で世界のパイオニアになる」と宣言した理由

EVシフトにも乗り遅れたのに、なぜ…

自動運転で世界のパイオニアに?

ドイツは自動車の国だ。車へのこだわりは半端ではない。

ガソリン車を作ったのはダイムラーやベンツだし、ディーゼルエンジンの発明者はルドルフ・ディーゼルであるから、車を発明したのは自分たちだというドイツ人の自負は、それほど間違ってはいない。そもそも、自動車のエンジンの元となる内燃機関を発明したのも、ドイツ人のニコラウス・オットーだった。

そんなわけでドイツ人は常に、スピード制限なしのアウトーバーンを高速で突っ走る車作りに夢中だったし、おまけにCO2削減はディーゼルでやるつもりだったこともあり、EVの開発にはあまり熱心ではなかった。

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ところが、そこに降って湧いたのが2015年のディーゼル・ゲート。これによりディーゼル車の未来が絶たれ、慌ててEVにシフトしたものの、開発の遅れは如何ともしがたく、あわや置いてけぼりかと懸念された。

ところが5月20日、ドイツ連邦議会で無人自動運転を行うための法律が可決され、突然、ドイツは自動運転で世界のパイオニアになるのだと高らかに宣言。これが、連邦参議院もスムーズに通れば、来年22年には、特定の条件下の公共の道路で、無人運転車の走行が可能になるという。

ドイツの自動車産業連合も、無人運転のテクノロジーの発達は、顧客、産業界双方にメリットがあるばかりか、ドイツの産業立地国としての価値が上がると大歓迎。「ドイツは、これら未来のテクノロジーの枠組みを定めた最初の国になる」と自信満々で、それどころか、9月の総選挙前に正式に法制化しなければ1年半を失うことになると、かなり前のめりだ。

ただ、そうは言っても、自動運転に必要なのはITやAIの技術で、そのパイオニアはどう見ても米国ではないかと疑問に思うのは私だけではないだろう。

 

米国ではウェイモ(アルファベート傘下の自動運転車のメーカー)がすでに完全な自動運転によるタクシー営業の実験を進めており、商業化も間近いと言われる。だから、交通相までが、「ドイツは世界で自動運転のナンバーワンになる」と舞い上がっているのが、もう一つ解せない。

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