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人が「死ぬとき」何が起きるのか? 死に「立ち会ってきた人たち」が目の当たりにした光景

一説によると、盂蘭盆会(お盆)の語源はペルシャ語で「霊魂」を意味する「ウルヴァン」だという。この夏、家族でお墓参りに行く前に、「死とはなにか」について考えてみませんか?

(2)死ぬ瞬間にあなたが見るもの感じるもの

【苦しいのか、心地いいのか】

〈心臓が止まって、真っ暗で、苦しいっていう状態で倒れている。でもそのときはまだ体の中にいる感覚なんですよね。その次の瞬間飛び上がっているんです。で、上か斜めから、自分の顔を見ている。そのときはね、息苦しいという感覚はないんです〉(28歳男性)

〈真っ暗な、宇宙空間みたいなところがあって、そこには、きらきら光って、輝くものが散らばっているんですね。自分も浮遊しちゃって、浮かんでいる状態。だいたい時間とかの概念がないんです。無重力のような状態で、その中で泳ぐような。

ちょっと気がついたら、遠くのほうに、きらーっと光る星みたいなのが見えて、そこだけは特別にこう一点輝いていて〉(30歳女性)

死ぬ瞬間、人はなにを見、なにを感じるのか。死んだ人にしか分からない「不可知な領域」だ。しかし、限りなくリアルな死の瞬間を知る方法がある。あと少しで絶命していたという人が、死の間際にした体験、いわゆる「臨死体験」だ。

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冒頭の二つのエピソードは、明治大学意識情報学研究所で臨死体験の研究を行っている岩崎美香氏が、臨死体験をした当事者から聞いたもの。

岩崎氏は、事故などの突発的な出来事で「臨死体験」をした人延べ20人に聞き取りを実施。その成果を『臨死体験による一人称の死生観の変容』という論文にまとめた(年齢は臨死体験当時のもの)。

「どんなものが見えたか」「その後、感情や生き方に変化があったか」などを詳細に記している。

興味深いのが、多くの人がその体験を「苦痛なものではなかった」と答えていることだ。岩崎氏が説明する。

「お花畑のようなところだったとか、きれいな川が流れていたとか、光に包まれたとか、心地よさを感じた人が多かったのです。また、その体験の中で誰かに迎えられたという話も多かった。

26歳の女性は『たくさんの花が咲いていて、足で跨げるぐらいの小川が流れている。そこに2~3人ぐらいの人が立って、満面の笑みで私を見守っている。なんだかそっちにフーっと行ってしまいそうになる』と語っていました」

 

自身の臨死体験を明かすのは「日本看取り士会」の代表で、多くの死の場面に立ち会ってきた柴田久美子氏。幼い頃から小児ぜんそくに苦しんでいた柴田氏は、小学校5年生のとき、「幽体離脱」を経験する。

「寒い冬の日のことでした。ぜんそくが悪化し、自宅に医師や看護師もやってきた。

そのとき、自分の体とそれを囲んでいる家族が俯瞰で見えたんです。当の私は暑さも寒さも感じないし、とにかく延々と心地よさが続く感じでした。

気が付くと翌朝、私は母の腕の中にいたんです。一度臨死体験をした人は、その感覚を忘れないと言いますが、私はいまでもそのときのことを鮮明に覚えています」

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