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じつは車輪を持つ生物が存在していた

メジャーでないのは、栄養供給がネック

車輪はデコボコ道でも走れる

よく言われる疑問の1つに、「なぜ生物には車輪がないのか」というものがある。ただし、車輪を持つ生物がまったくいないわけではない。それについては後で紹介するけれど、ほとんどの生物が車輪をもっていないことも、また事実である。なぜ、ほとんどの生物には車輪がないのだろうか。これに対する答えとしては、「車輪はデコボコ道が苦手だから」というのが一般的である。

たしかに車輪をもつ自動車は、舗装された平らな道ならスムーズに走れる。しかし、地面はいたるところ、デコボコだらけだ。車輪はこういうデコボコが苦手なので、ほとんど進化しなかった、というわけだ。でも、この意見は少し変な気がする。

デコボコが大きいと車輪が進めないのは事実だが、少しぐらいのデコボコなら、車輪でも進むことができる。理論的には、半径より小さい段差なら、車輪は乗り越えられる。だから、デコボコに対して車輪が相対的に大きければ、車輪は進むことができるのだ。

そのため、道路がなくても車輪で走れるところは結構ある。たとえば、タイヤの直径が1メートルもないジープで、道路のないサバンナや砂漠を走ることは可能だし、火星の探査車だって、車輪で移動しながら、道路のない火星の表面を調査している。たしかに車輪で走れないところも多いだろうが、あらゆるところで車輪がまったく使えない、ということはないはずだ。

【写真】デコボコの地面を走るジープタイヤの直径が1メートルもないジープも、デコボコのサバンナや砂漠を走ることができる photo by gettyimages

回転構造があまり見られない理由はなんだろう

そう考えると、一部の地域で、車輪を持つ生物が進化したって、よさそうなものである。コアラのように食性が限られていて、一部の地域にしか住んでいない生物はたくさんいる。それなのに、どうしてサバンナにだけ棲んでいる車輪をもつシカは、進化しなかったのだろうか。

しかも、生物がすんでいるのは陸上だけではない。海を泳ぐものも、空を飛ぶものもいる。それなら、デコボコは関係ない。スクリューやプロペラを持つ生物が進化すれば、ちゃんと泳いだり飛んだりできるのではないだろうか。

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