結婚したら夫が家計を支えるのは当然なのか

今回、類似意見を振り分けるのと同時に、ジェンダーバイアスのかかっているDMと、そうでないものを独断で選り分けてもみた。ちなみに、私基準である。

・感じる31%
・感じない51%
・判断不可18%

写真提供/バービー

この判断不可の内容は、「自分には取り柄も才能もないので」「稼げる能力に自信がない」というものだ。多くはおそらく未婚の女性だと思われる。正直、この手の内容に関しては、どう扱えばよいのか分からなかった。経済的に不安定でも、自身のスキルを磨くことはせず、いずれ結婚すればパートナーの収入で補填できるはず、という意思が見え隠れするものであったからだ。

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以前、私は「男性は結婚したら家事など生活のマネジメントは女性がする前提のもと家事スキルを磨かない人が多いように感じる」と記したことがあったが、自分は稼げないからというコメントが私には、「結婚したら、夫側が多く出すのが当たり前という前提」のように感じてしまった。

主婦業は、重労働なのに評価を受けにくく、とても大変な仕事だと思う。それでもこのコメントからは、「家事で家族を支えたい!」という意思よりは、消極的選択として、「どうせお嫁に行くのだから」と、キャリア形成を諦めてしまっているように感じてしまったのだ。

だからと言って、これを「バイアスがかかっている」と判断してはいけないような気もした。キャリア形成を諦めてしまう要因は、日本の男女雇用の不均等なのか? 女性自身が持ちうるジェンダーバイアスなのか?

賃金格差は確かにある。厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計」によると、女性の平均給与は男性の75%だ。また、総務省による「平成29年就業構造基本調査」によると、生活保護水準である年収200万円以下のワーキングプアも女性のほうが圧倒的に多い。全国平均では、4割近くの女性にあたり、男性は2.5割である。これらは、日本社会の問題だ。今まで、特権を思うがまま保持してきた層のレガシーだ。

だが、自分がワープアだからという理由で、「男性パートナーに高収入を求めます!」と言ってしまっていいものなのか。もちろん民法上、暮らしを支え合うのは婚姻関係における義務だし、お互いニーズが合致して生活のために関係を結ぶことは悪いことではない。気になったのは、「こういうことを公言しても大丈夫な空気がある」のではないかという点だ。

「公の場で言ってはいけないこと」は、人気アイドルグループのメンバー並みに、覚える間もなく次から次へと増えていく。そして、女性に限った話ではなく、どんなジェンダーの人にとってもそうだが、経済的に自立していないと、婚姻関係も依存度が増すのは目に見えている。そんな風に考えていたら、女性達は自立を求めているのかどうか、わからなくなってしまった。

そもそも、ジェンダーバイアスは悪なのか。

日本は今、ジェンダーギャップ指数121位を挽回しようと躍起だ。女性の役員数は圧倒的に少なく、まさに分厚いガラスの天井が存在していて、社会的躍進という面で悲しい思いをしてきた人がいる。性別によって能力を発揮できない。そんな事例はなくなってほしい。

だが、全男性がそうではないように、当の全女性が出世を望んでいるわけではないだろう。

写真提供/バービー