ヤクザのカネを運用した相場師の末路

闇の盾(5)政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男
寺尾 文孝 プロフィール

中江の息子の面倒をみることに

国際女優と言われた島田陽子も、何度も来ていた。最初は100万円、その後150万円を借りて、借用証も書いていた。このときも、私が立会人となった。

国際女優・島田陽子

中江の実兄・克巳は、六本木でクラブを経営していた。この克巳が中江の息子の面倒を見ていたが、克巳のクラブは日付が変わる未明まで違法営業をしているような店で、安心して子どもを任せられるような職種ではない。それでも、中江の息子はなかなか頭のいい男の子で、こちらが面食らうほどませていた。私の持つ三田のマンションの一室に住まわせていたが、時々ふらりとそこから出て、姿を消すことがたびたびあった。

中江は1997年暮れ、三井埠頭の財務担当常務を手玉にとって経営に入り込んでいた。三井財閥の流れを汲む名門企業だが、資金繰り難に陥り、中江を頼ったらしい。中江は手形の乱発に手を染め、一部が闇社会へも流れた。

 

中江が乱発した三井埠頭の手形は総計で約260枚、額面で約160億円にも上ったという。そうやって名門企業を食い散らかした挙げ句、1998年4月30日午後、中江は突如として失踪してしまう。

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