photo by iStock
# 事件

2500万円の老後資金を「あっさり失った」投資詐欺、そのヤバすぎる手口

「僕は全世界の金融機関にネットワークがある」

「すごい人がいる」と紹介されて

「僕は全世界の金融機関にネットワークがあるんです。誰も知らない新規公開(IPO)株の情報がジャンジャン入る」

その男の名刺には、新聞や経済誌でよく見る外資系証券会社のチーフ・マネージャー、金融関連の協会の理事など華麗な経歴がずらりと並んでいた。饒舌で自信満々な語り口に似合わず、背格好は小太りで、スーツも少しヨレ気味だ。そこが茶目っ気を感じさせた。

埼玉県の松本陽一郎さん(73歳・仮名)は、総合商社で子会社役員まで務めて65歳で退職。退職金4000万円を運用して増やそうと、投資セミナーに顔を出していた頃、知人から「すごい人がいる」と紹介されたのが冒頭の投資顧問会社社長だった。仮にAとしよう。

「Aは『IPO株のうち9割は初値が買値を超えます。私の会社に預けてくれれば、少なくとも損はさせませんよ』と言う。半信半疑でしたが、紹介してくれた知人も勧めるので、『まあ、100万円なら』と軽い気持ちで預けてみたんです」

Photo by iStock
 

当時はリーマン・ショックと震災で低迷していた株価が回復し始め、ITや医療系ベンチャーのIPOも活況を呈しつつあった。現役時代以上に新聞の経済面を読み込んでいた松本さんは、IPOの専門家を名乗るAに魅力を感じたのだ。

数ヵ月後、Aから電話があった。「この前の株、無事に初値で売り抜けられました。利益は後日お渡しします」。その週のうちに56万円が振り込まれた。通常の投資では考えられないリターンだ。

「念の為、Aが投資したという株について調べたのですが、ちゃんと実在するし上場日も価格も一致している。それで次は200万円を渡したら、今度は80万円の利益が戻ってきた」

関連記事

編集部からのお知らせ!
SPONSORED

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/