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月5万円が払えない…相続対策に入った生命保険のせいで「地獄を見た」夫婦の末路

妻のためだったはずが…

シナリオが大きく狂った

「払い込みが終わった後、支払った保険料以上の返戻金が受け取れます。10%、20%得する方も珍しくないんですよ」

食品メーカーに勤めていた川西政弘さん(東京都在住、68歳・仮名)が、付き合いのある保険会社のセールスレディにこんな話を持ちかけられたのは16年前、52歳のときだった。妻の敬子さん(65歳・仮名)が述懐する。

「夫は『こんなに美味しい保険があるなんて知ってたか』、『これを使って貯めておけば、もし俺が先に死んでもお前は当座のカネに困らないな』と大興奮でした。すでに年齢も年齢でしたから、少しでも早く払い込みを始めたいと、すぐ契約することにしたんです」

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政弘さんが契約したのは、「低解約返戻金型終身保険」という商品だ。生命保険ではあるが、事実上は貯蓄・資産形成のための商品でリターンが大きく、老後資金を貯める目的で契約する利用者も多い。反面、中途解約すれば返戻金は払い込み額の6~7割にとどまる。最後まで保険料を支払うことが前提なのだ。

契約内容は、72歳までの20年間で総額1000万円を支払い、満期後に解約返戻金として約1200万円が返ってくるというものだった。死亡保険金の受取人は妻だ。

「夫は『これは相続対策にもなるんだ』と言っていました。私たちには子どもがいませんから、夫が遺言を用意しないまま先に亡くなれば、私は夫の兄弟と遺産分割協議をしなければならない。

でも生命保険の保険金なら、遺産分割の対象になりません。私がひとり残された場合、夫の兄弟が何か不満を言ってきたとしても、なるべく面倒ごとに巻き込まれないようにしたいという思いがあったのでしょう」

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