今の世の中には「調和」が足りていない

「私の会社では、“バランス”や“調和”、という言葉を大切にしています。アパレル産業の環境負荷の高さは石油産業に次いでワースト2位。由々しき事態ですが、だからと言って物質的な世の中を捨て去るのもまた違うと思うんですよね。ファッションに対する憧れや、モノを手にすることで沈んだ気持ちを明るくしてもらった経験は自分にもある。環境を守ることと、おしゃれすることのワクワク感。その二つを両立できるバランスを模索している毎日です」

写真/菊地泰久(Vale)

インターネットが普及し、あらゆる情報を可視化できる今だからこそ、世界のアンバランスさに気づけた、と柴咲さん。そして、知ってしまった以上、無視することはできないと。

「今まで好き勝手にやってきたこの世の中は、結局調和できていなかったんだと思うんです。自分たちのおしゃれや快楽のために、実は世界のどこかで自然のサイクルが崩れていたり、誰かが無理な働き方を強いられていたり……」

とにかく自然が大好きで、植物をたくさん育てているため、ご自宅を選ぶ基準のひとつに“バルコニーの広さ”があるという柴咲さん。「今のバルコニーは森みたいになってきちゃった」と笑う。お気に入りはレモンの木。その他にも、ポンカンやオレンジなど、柑橘系の木ばかりが増えているのだとか。

「柑橘系の木は蝶々を育てるのにぴったりなので、彼らをおびき寄せるためにたくさん育てているんです(笑)。勝手に飛んでくるんですよ。知らぬ間にサナギがいることもあって。レモンの木も、蝶々に食べられて一旦は丸裸になるんですけど、ちゃんとまた花が咲いて、葉っぱが茂るんです。そしたら蝶々がまたやってくる。素晴らしいサイクルだなと思うんです。そして、そのレモンはもちろんお料理に使います。調和するってそういうことなのかなって」