ぎゅうぎゅう詰めが苦手だという八作は、両脇を挟まれたソファ席から「出してください」と繰り返し、テーブルの下から何度も「すいません」と言っても出られなくなる。まるで、多数派の輪に収まることができない、窮屈な彼らの生きづらさを表しているようだ

そんな元夫たちと関わる小谷翼(石橋菜津美)、古木美怜(瀧内公美)、三ツ屋早良(石橋静河)が一堂に会し、彼らのダメなところをけちょんけちょんに批判するのが、第6話前半のハイライトである。

ホテルで毎日挨拶していた清掃員・翼の顔を覚えていなかった慎森は、「その人はきっと自分だけが好きなんだろうね」と、不器用を言い訳にした他人への無関心を指摘されてしまう。美怜との恋愛を妄想していた鹿太郎は、いざ本当に好意を向けられると弱腰になってしまう態度を、「そういう人がしたいのは恋愛じゃなくて恋愛ごっこ」「ロマンチスト最悪」と喝破される。そして、誰に対しても余裕があり優しくできる八作は、「その人が優しいのは、優しくしておけばめんどくさくないから」「その人にとって人間関係はサービスでしかない」と、その本質を見抜かれてしまった。

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恋愛・結婚の異性愛規範からはみ出して

それぞれのウィークポイントを突かれて心乱れる彼らが包む餃子からは、文字通り具が“はみ出して”しまう。注目すべきは、サブタイトルで「全員集合地獄の餃子パーティー」と名付けられたこの公開処刑イベントが、劇中の元夫たちにとっても、見ている視聴者にとっても、長い長いとわ子不在の時間だったことだろう。

慎森「僕たちがさっき指摘されたようなこと、彼女から責められたことありました? こんなだめな3人なのに、彼女はそこを怒らなかった。僕たちは、大豆田とわ子に甘えてたんです

ここにいないからこそ、その存在感をより強く意識させられる。もう別れたからこそ、そのありがたみを思い知る。「とわ子を待ちながら」、あるいは「大豆田、行方知れぬってよ」ともいうべき秀逸な構成だ。

これと逆の立場からの似たセリフが、『カルテット』(2017年・TBS系)にも登場する。カルテットドーナツホールの4人が拠点としていた軽井沢の別荘が売りに出される危機に陥ったとき、別府司(松田龍平)がほかの3人に宣言した次の言葉だ。