茨城一家殺傷事件、容疑者の「過去の事件」を、朝日、読売、毎日、はこう報じた

現代ビジネス編集部

オープンリーチの状態

まず、5月7日の岡庭容疑者逮捕に至った茨城一家殺傷事件から振り返る。

境町の事件が起こったのは19年9月23日午前0時40分ごろ。茨城県境町の民家から女性の声で助けを求める110番があり、臨場した警察官が民家2階の寝室でこの家に住む会社員の男性(当時48)と妻(同50)が血を流して死亡しているのを発見。

さらに、2階の子ども部屋で寝ていた長男も刃物で刺され、次女は催涙スプレーのようなものを噴射され、1階の自室にいた当時大学生の長女だけが無事だった。

「現場は木に囲まれ、到底、一家4人が襲われるような凶悪事件が起こるとは思えないのどかな地域です。金品を物色した様子がないことから、茨城県警は当初、怨恨による犯行の可能性を捜査していました。

しかし、一家に恨みを抱かれるようなトラブルは見つからず、見ず知らずの人物による『流し』の線にも捜査を拡大しました。その結果、次女が襲われた際に吹き付けられた物と同様のスプレーの購入履歴があり、自宅に大量の刃物や薬品を所持していたことなどから、岡庭容疑者が捜査線上に浮上したようです」(全国紙記者)

事件から1年あまりが過ぎた昨年の11月、茨城、埼玉の両県警が合同捜査を組み殺人予備容疑で、岡庭容疑者の自宅を家宅捜索。大量の硫黄を所持した容疑で逮捕した。

今年2月には警察手帳の記章を偽造した容疑で茨城県警が再逮捕する一方で、茨城一家殺傷事件の容疑での捜査も進め、今回の逮捕に至ったのだという。

 

「岡庭容疑者が『別件』で逮捕されたことは、早い段階からマスコミに漏れていました。一部の週刊誌も昨年末の段階で、境町の事件との関連を匂わせる記事をネットで配信していましたし、いわば『オープンリーチ』の状態。マスコミ各社も逮捕に向けて原稿を準備する中で、当然、前科についても把握していたでしょうね」と捜査関係者は解説する。

つまり、今回の茨城一家殺傷事件では、新聞やテレビは事前に取材する期間が数ヵ月あり、茨城県警が岡庭容疑者を殺人容疑で逮捕した5月7日に至るまでに、彼が過去に犯した連続少女通り魔事件について触れるか否かに関して、十分に議論できたことが推測される。

その経緯を踏まえたうえ、逮捕翌日の5月8日朝刊で、新聞が事件をどう報じたか見比べてみたい。

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