茨城一家殺傷事件、容疑者の「過去の事件」を、朝日、読売、毎日、はこう報じた

新聞各紙で分かれた、過去の事件の実名報道

茨城県境町の民家で2019年9月、住民の夫婦が何者かに襲われ殺害され、当時中学生と小学生だった夫婦の子ども2人も重軽傷を負った事件。茨城県警は、5月7日に埼玉県三郷市に住む無職の岡庭由征容疑者(26)を夫婦殺害の容疑で逮捕した。

1年半以上にわたり未解決となっていた凶悪事件とあって、新聞やテレビは連日、捜査当局の発表や独自取材に基づいて大きくこのニュースを取り上げた。

岡庭容疑者が重要参考人に浮上するまでの経緯や、逮捕の決め手となった証拠など、各社の報道内容は概ね共通していた。

一方、決定的に判断が分かれたのが、2011年に当時16歳だった岡庭容疑者が起こした連続少女通り魔事件について触れるか否かだった。少年法61条では、

<家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のときに犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりそのものが当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない>

と規定している。罰則付きではないが、少年法は少年犯罪について実名報道を禁じているのである。

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少年犯罪を巡っては、時には実名報道に踏み切る週刊誌とは異なり、新聞やテレビはこれまで、更生の観点から本人が特定される報道を禁じた少年法に基づき慎重だった。

折しも今回の逮捕は、18歳や19歳の少年が起訴された後は実名報道を認める内容を含む少年法の改正案が、4月20日に衆議院を通過した直後のタイミングだった。今回、大手メディアの一部はどのような経緯で、従来の姿勢を崩したのだろうか。

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