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蛭子能収さん妻の告白「死んでしまおうと思ったことも…。介護で共倒れになる寸前でした」

昨年、自身が認知症であることを公表した漫画家・タレントの蛭子能収さん。認知症と診断されてからの葛藤や、家族・マネージャーへの思い、人気コラム「ゆるゆる人生相談」傑作選などをまとめた異色の“認知症エッセイ”『認知症になった蛭子さん~介護する家族の心が「楽」になる本』が4月に発売された。

妻から見た素顔の蛭子さん、彼に起きた変化、そして介護する家族に必要な心構えとはーー。妻・悠加さんの初告白を、同書から抜粋して紹介する。

まさか認知症とは……。夫の異変に初めて気づいた夜

よっちゃんの様子がおかしい── 。そう思うようになったのは2017年のある晩のこと。隣で寝ている主人に、突然、たたかれたのです。一瞬、何があったのかわからなかったし、翌朝には本人もケロッとしていましたから、寝ぼけたのかなと。でも、今から思えば、あれが前兆でした。

後になってわかったことですが、あの晩の主人の行動は「レム期睡眠行動異常症」(一般的には、眠りの浅いときに大声を出したり、手足を動かしたりする。レビー小体型認知症を発症する数年前から見られる)。2020年7月にアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症を併発している初期の認知症だと公表する3年前のことでした。

2007年にスタートした太川陽介さんとの旅番組シリーズ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)がブームになり、また、2014年に出版した『ひとりぼっちを笑うな』(角川書店)でも注目してもらったことで、そのころのよっちゃんは、テレビ番組やイベントにたくさん呼んでもらい、忙しい日々を過ごしていました。

そんな疲れがたまったのだろうと、最初はそう思っていました。

 

2014年には、記憶力が低下している軽度認知障害(正常な状態と認知症の中間)と診断されていました。でも、よっちゃんは基本的に人の話を聞かない。他人にも興味がない。ついこの間、出会った人の名前すら覚えていなければ、前週に出演した番組名さえ忘れてしまうことも多い。まさか、そんな病気が潜んでいるとは、正直、私のなかでは考えもつきませんでした。
 
それでも、よっちゃんが大嫌いな青魚や野菜を食べやすいように調理して食卓に並べ、私の趣味である神社巡りに運動を兼ねて付き合ってもらうなど健康には気を配っていたつもりでした。
 
それと同時に、実はあのころは、結婚して以来の夫婦の危機。離婚に向けて、2人で毎晩のように話し合っていた時期と重なっているのです。

初めてのデートはボートレース

私たちは、2007年1月に結婚しました。

交際は、その3年半ほど前から始まっています。出会いは多くの方が知っていると思いますが、週刊誌『女性自身』のお見合い企画です。

蛭子能収が再婚相手を見つけるため、お見合いの参加者を募集する──という記事を見たとき、噓のような話ですが、ビビッと来たのを覚えています。

テレビを見ない私は、当時から「タレントの蛭子さん」よりもサブカルチャーの中心にいる「漫画家の蛭子さん」の印象が強く、漫画誌『ガロ』で連載を持っていたときからファンでした。

私自身も離婚をしていて、少し行き詰まっていた時期でもありましたが、結婚はともかく、憧れの人とお話ができれば、という感じで応募しました。

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