浜田さんの世代が頑張りすぎて困る

私が朝日新聞社を辞めて、Business Insider Japanに移って間もない頃、働くアラサー女性を読者にした「ウートピ」というオンラインメディアから取材を受けたことがある。当時編集長の鈴木円香さんから取材依頼として来たメールは少々挑発的だった。「浜田さんたちの世代が頑張りすぎるから、私たち世代がしんどいんですけど!」という内容でインタビューしたいということだった。メールをもらったときに、「え、そんな風に思われているんだ」と軽くショックを受けた。自分では特別なことをしているつもりは全くなく、朝日新聞にいた先輩や同僚のやり方をマネている、ぐらいの感覚だったから。

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鈴木さんは私が出産後、両親を山口の実家から呼び寄せて、同じマンション内に住んでもらい、保育園の迎えから夕食、寝かしつけまで全部“丸投げ”してきたことを別のインタビューで知って、「自分たちが感じている仕事と育児の両立プレッシャーの根源はここにあったのか」と感じたという。取材ではなぜそこまで尋常ならざる努力をするのかと聞かれた。

浜田さんの場合は「丸投げ」できる環境とそうしようという気持ちと両方があった。そしてそうしなければ働けない時代でもあった Photo by iStock

私が出産したのは2006年。記者や編集者として働いている社内の先輩や同僚だけでなく、他社で総合職として働く友人などもベビーシッターを活用したり、両親の近くに引っ越したりし、外の力を借りていた。当時は時短勤務制度もなく、あったとしても早く帰れるような空気は微塵もなく、先に産んだ同僚たちは子どもがいる気配を消して働いていた。早く帰るときには、いつ帰ったかわからないようにこっそり姿を消していた。その姿を見て、そうしなければ編集の職場を外される、仕事も続けられない、と私は思い込んで、躊躇なくマネをしていただけなのだ。