2021.05.30
# 介護

認知症で徘徊する祖母、脳梗塞の母…一人で「ダブル介護」生活を送る30代男性「壮絶な日常」

奥村 シンゴ プロフィール

同世代が働きに行く姿を背に……

祖母は、認知症が進行し突然、玄関のドアノブをガチャガチャし「これなんで開かないの? 外に出たいの」と外へ出る日が増え、時間は昼夜問いません。

Photo by iStock

同世代が会社へ出勤する姿を背に、祖母の徘徊に付き添う筆者。しかも、近所の人たちから「あれ、今日お仕事はお休みですか?」と言われる始末。徘徊を経験したことない人からすれば、朝方にばあちゃんと一体何してんのと言わんばかり……。

祖母は「あの大きな坂を上にのぼるとお寺さんに着くの」と、お気に入りのお泊まりデイサービスへ向かおうとしました。「筆者の家よりお泊りデイサービスの方が好きなのか」一体誰のために何をしているんだと複雑な心境になることがありました。

結局、歩いている途中に郵便局があり、祖母は、「そうでしょ? よく通っているからね、当然よ」と笑顔で答えた後、目的を達成したからか私に倒れこんだのでタクシーで自宅へ戻りました。

祖母は、徘徊・異食・暴力・着衣着脱など重度認知症で要介護が5で全介助が必要になり、2019年1月に精神科病院へ入院しました。

私は、正直「6年間の在宅介護が一段落し、少しはゆっくりできる」と思ったのも束の間、病院から度々「祖母が体調不良になったのですぐ来て下さい」と電話がかかってきました。

祖母は、精神科病院に入院中の約2年間に「骨髄異形成症候群の疑い」、「急性腎盂炎」、「尿路感染症」、「膀胱炎」で入院数週間から2か月弱。

精神科病院は、精神の病気を診るのが専門ですので軽度の病気やケガ以外、他の病院で診察や入院が必要となります。

その度に私は呼び出され、本人の付き添い・入退院の手続き・主治医からの病状説明・不足品の持参(病院で用意できないもの)などで病院へ行きました。

祖母のように重度認知症で粗暴行為が酷いと、利用者に迷惑をかけたり看護師・介護士の負担が大きく受け入れ先病院が限られます。

そうすると、遠方の高齢者施設へ入院するケースが多く、祖母の場合、医療と介護双方の重度ケア可能な療養病院へ転院しました。私の自宅から往復3時間かかる場所にあります。

 

一方で、母親からは「シンゴくんがいないと心細いから来てほしい」と連絡がかかり、「一人で行ってくれや、シンゴかって仕事あんねんぞ」と言いつつ断りきれず、祖母の事を放置できませんでした。

加えて母親は、祖母の在宅介護終盤からずっと腹痛を訴えて徐々に悪化し、毎日のように「痛いのが治らないなら死んだほうがましや」とメールがきたり、頻繁に救急車を呼んだりと情緒不安定になりました。

正直、私は、「母親、いい加減にしてくれ」と思いましたが、ほっとくわけにもいかず、病院へ行きました。

ところが、母親は、複数の病院で医者やさまざまな検査をしても、原因不明で結局「身体表現性障害」と診断で入院し、現在は退院し自宅静養中です。

ですから、「ダブル介護の場合、在宅介護が終わっても介護が終わる」わけではなかったのを知りました。

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