2021.05.22
# 中国

いま中国の若者が「昭和の日本」に激ハマりしている…! その意外なワケ

昭和風のアイドル、写真、レコード…
中島 恵 プロフィール

この点について王氏にも聞いてみたが、同じく、そうした日本社会の風潮や、昭和など昔の日本を彷彿とさせる音楽、アニメなどが、SNSを通して中国の若者にも伝播し、彼らに大きな影響を与えている、と見る。

「中国でも大ヒットしたアニメ『鬼滅の刃』の時代設定は昭和の前の大正時代でしたね。中国で大人気となっている日本のアニメ『ゾンビランドサガ』には昭和生まれのアイドルの話が出てきます。それらを見て、中国の若者も『昭和』という時代をとても身近に感じるようになった。『ちょっと古いけれど、輝いていた時代』に親しみを覚え、魅力的に思うのは、ごく自然な流れだと思います」(王氏)

ちなみに、私は王氏への取材で初めて『ゾンビランドサガ』というアニメの名前を知った。ご存じの方が多いかもしれないが、この作品は2018年に放送されたテレビアニメで、不慮の事故などで亡くなった少女たち7人が、ゾンビとして生き返り、プロデューサーに導かれながら、佐賀県を救うご当地アイドルグループとして活躍する、というストーリーだ。

この中で、「伝説の昭和アイドル」として登場するのが「紺野純子」。1964年生まれで、1980年代にアイドルとなって一世を風靡したが、19歳で死去し、ゾンビになったという設定だ。紺野は昭和生まれであるため、ライブのことを「コンサート」、テレビのことを「ブラウン管」と呼んでしまったりする。

 

「昭和風居酒屋」が登場

このように、中国の若者が「昭和」という時代に対して、日本人と同じように郷愁や共感、憧れを抱けるような消費環境が整っていることもあり、気がつけば、中国では、アニメやアイドルだけにとどまらず、さまざまなところに「昭和レトロ」的なものが急激に増えている。

筆者が中国の友人のSNSなどを通じて知る限りでは、昭和のLPレコードを集めたレコード店ができたり、日本映画『男はつらいよ』や『羅生門』などのチラシをわざわざ壁に貼った“昭和風”の居酒屋ができたり、昭和風アイドルのコスプレをして写真撮影できる写真館ができていること、などだ。

武漢にある「昭和風居酒屋」(著者提供)

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