偏見と真実の愛

5月21日、金曜ロードショーにてテレビ初放送される『アラジン』は、ディズニーの名作アニメを実写映画化した、2019年実写映画NO.1ヒット作。ディズニープリンセスシリーズの実写版では、『美女と野獣』(2017年)に次ぐヒット作となっています。

実写版の『アラジン』と『美女と野獣』には、いくつか共通点があります。「ホール・ニュー・ワールド」「ビューティ・アンド・ビースト」など、誰もが耳にしたことのある名曲と、色鮮やかな世界をバックに愛と冒険のファンタジーが繰り広げられます。

実写版「アラジン」でジャスミンを演じたナオミ・スコット photo by gettyimages
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ヒロインのジャスミンとベルはひとりっ子で、兄弟姉妹はいません。実母は早逝しているため、思い出の中の実母はやや理想化されているようです。実父は再婚せずに、父と娘の2人きりの家族でやや過保護に育てられました。

意地悪な継母は登場しませんが、ヒロインと強引に結婚しようとする男性がヴィラン(悪役)となっています。『アラジン』では国務大臣のジャファーが、『美女と野獣』では村の人気者ガストンが、ヒロインから忌み嫌われ、非業の最期を迎えます。

一方、ヒロインが結婚相手として選ぶのは、コソ泥や野獣など。一般的には難ありの男性ですが、ヒロインは偏見を持たずに、真実の愛を見出します。ジャスミン王女は貧しい青年アラジンと、小さな村で暮らすベルは野獣(王子)と結ばれるので、いわゆる貴賤結婚、格差婚となるわけです。どちらも原作は18世紀に書かれた古い物語ですが、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立する」という、近代的な結婚観に沿うようなストーリーになっています。