「私は今、海洋プラスチック問題にフォーカスした活動をしています。中でも力を入れている『美ら海プロジェクト』を広めるために、ご協力いただけませんか?」

ある日、FRaU webに一通のメールが届いた。差出人は、この春、高校を卒業したばかりの埼玉県秩父市に住む高橋あすかさん(※高ははしごだか)。そこには、小学生の頃から環境問題に関心があり、現在は『たくさんの人に海洋プラスチック問題を自分ごとと捉え、行動にうつすためのきっかけづくりを個人でしている』と書いてある。海に面さない埼玉県の自然豊かな町で生まれ育った18歳の少女が、海洋プラスチック問題にひとりで立ち向かっているーー。この事実を多くの人に伝えるべく、早速コンタクトをとり取材に臨んだ。

大学進学を見送ってでも、本気で取り組みたかったこと

メールをもらったとき高校生だったあすかさんは、この春、地元の高校を卒業した。大学へは進学せずに、今後は日本各地に足を運び、環境課題や社会福祉などに取り組む人や団体を訪ねる旅をするという。

「日本各地の環境保護施設を訪れて、そこで働く人たちに話を聞きたい。例えばカキの養殖に使われる漁具が海に流れ出てしまっている問題においては、決して養殖する人を責めるのではなく、みんなでその事実を共有し、今後どうすればいいのかを話し合える場をつくりたいんです。地域の人たちが今何を必要としているのか? 今抱えているリアルな課題点を取材し、発信していきたいと思っています」(高橋あすかさん 以下同)

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「大学は行った方が良いのではないか? これからやろうとしていることは、卒業してからでもできるのでは?」という両親の思いとはうらはらに、大学進学を見送ってまで本気で取り組みたいことを見つけたあすかさん。その潔い決断を後押ししたのは、昨年夏よりスタートさせた個人の活動「美ら海プロジェクト」だった。プロジェクトの目的は海洋プラスチックごみ問題の可視化。47都道府県から集めた海洋プラスチックごみで作成した日本地図を、自身のSNSで発信している。

海洋プラスチックごみで日本地図を作り問題を可視化する「美ら海プロジェクト」 画像/高橋あすかさん提供

「例えば、カキの養殖が盛んな広島や愛媛では筒状のプラスチック、ホタテの養殖で有名な青森ではプラスチックでできた紐など、多くは養殖に使われる漁具で、都道府県によってごみの種類が異なります。日本海側は、中国や韓国から流れついたごみ(漁具がほとんど)もたくさんあり、日本のごみもこうして海外に流れ出ているんだろうなと気づかされます。

私が住む埼玉には海がなく、海辺に流れ着いた海洋プラスチックごみの山を目の当たりすることはありません。それどころか、自分たち生活者のごみが原因で環境破壊を引き起こしていることすら知らない人がほとんどです。海の近くに暮らしていなくても、海洋プラスチックごみの問題をもっと身近に感じてもらうのにはどうすれば良いのだろう? そんな思いで『美ら海プロジェクト』をはじめました」