最速実機レビュー!新iMac&iPad Proが示すアップルの力

「M1世代」突入で一大進化を遂げた!
西田 宗千佳 プロフィール

「いま求められる」要素をバージョンアップ

1つめは、「ビデオ会議がやりやすくなった」ことだ。

じつのところ、iPadは一般的なPCよりもカメラやマイクの性能が高く、本来ビデオ会議に向いた端末だ。しかし、一点だけ残念な点があり、それは「カメラの位置」だった。

ノートPCの場合には、カメラは通常、「ディスプレイ上部」についているので、画面内で自分がどう映るかを調整するのは難しくない。

だが、iPadを使う場合、特に本体を横にしてキーボードやスタンドと組み合わせて用いる場合には、カメラが本体の「左横」側にくる。結果として、ディスプレイに正面から向き合っても、「画面の端に自分が写る」感じになりやすかったのだ。

【写真】2020年モデルでは自分が動かないとダメだった2020年モデルでは、ユーザー自身が画面中の位置を調整する必要があった

今回の新iPad Proでは、この苦労がなくなる。新たに搭載された「センターフレーム」という機能のおかげだ。

センターフレームは、人の顔を認識し、それに合わせて撮影する位置を自動調節してくれるしくみだ。ユーザーが動いたり立ったりしても、ちゃんと画面の真ん中(センターフレーム)に顔を収めてくれる。

【写真】「センターフレーム」の動作「センターフレーム」の動作。自分が動かなくても、自動的に画面内の位置合わせをしてくれる

顔がちゃんと写るようにiPadの位置や自分の座り位置を修正する必要はなく、自動で補正してくれるのは本当に簡単でありがたい。センターフレームは、アップルのビデオ通話機能である「FaceTime」だけでなく、ZoomやTeams、WebExといった一般的なビデオ会議サービスのほとんどでそのまま利用できる。この点も重要だ。

センターフレームは、機械学習を用いた顔認識によって生まれた機能だが、同時に、新iPad Proのフロントカメラの解像度と広角性能が高くなり、「広い範囲を撮影して顔の周囲だけを切り取る」ことが可能になったからできるようになった機能でもある。

5G対応でアップロードが10倍速に

最後に残った変化が「5G対応」だ。

セルラーモデルを選んだ場合に限られる機能だが、今回のiPad Proから5Gネットワークに対応した。そのため、5Gのエリア内であれば通信速度が大幅に向上することが期待できる。

東京・五反田駅近くの5Gエリアでテストしてみたが、4Gに比べダウンロードで倍以上、アップロードで10倍以上の速度が出た。5Gが利用できるエリアは依然として限られているものの、セルラーモデルを選んで長く使うことを考えるのであれば、5Gモデルであるほうが望ましいだろう。

スマホを買い換えるときに、来年、再来年も使うことを考えれば5Gモデルが望ましいのと同じことだ。

アップルと他社の明確な違い

それぞれに詳しく見てきたように、同じ「M1世代」に移行したモデルであるとはいうものの、iMacとiPad Proでは位置付けがかなり異なっている。

iMacはマス向けにデザイン面を主張したモデルであり、iPad Proは文字どおり「Pro的なこだわりの作業をおこなう人」向けのモデルという性質を強めている。

クロック周波数からメモリー搭載量まで、まったく同じ「M1」でこれだけ広いバリエーションをつくるのが、アップルの現在の戦略であり、他のメーカーとの明確な違いだ。

クロック周波数やメモリー量のバリエーションはなく、スペックの幅が狭いという見方もできるが、逆に「CPUなどの細かい性能でなく、ユーザー自身が使うスタイルごとに機器を選べる」という見方もできる。

今回発売される新製品は、サイズ的にも機能的にも、その戦略が最も色濃く反映されたもの、といえそうだ。

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