「住宅補助が出ないから10年籍を抜くな」

追い討ちをかけたのが、元夫のこんなセリフだった。りかさんが「こんなんじゃ家族でいる意味がないから別れたい」と言ったら、「お前はいつ出て行ってもいいが、子どもは置いていけ。そして、籍は10年間、抜くな。単身になってしまうと、住宅補助が出ないから」。
「えーっ、私、元夫にとって、住宅補助以下の価値もないんだ。体の力が抜けてしまって……」

日本に帰国してから、毎晩のように小競り合いが続いていたが、ある夜、けんかが大炎上。真夜中に「出ていけ」と怒鳴り散らされた。大声でのけんかはもはや子どもに隠しようもなく、子どもは泣き疲れて、床にうずくまって寝てしまった。

-AD-

「深夜2時に元夫が私の両親に電話をかけて、『あなたの娘が離婚したいと言っている。家を出て行くことは許すが、離婚は許さない。なぜなら住宅補助がもらえなくなるから。僕のこの考え、合っていますよね?』と言ったのには呆れ果てました」

両親は車で20分ほどのところに住んでいて、夫の電話に驚いて飛んできた。両親をなだめ、とにかく1回、外に出て冷静になろうと思い、りかさんは両親を送って行くために家を出た。

明け方5時くらいに帰ったら、なんと玄関のドアのチェーンがかけられていた。
「中から義父が出てきて、『何の用だ』と。元夫がすぐに呼び寄せたんですね。その時点で、私は子どもを置いて家を出たことになっていました」

りかさんはそれきり、一度も家に入れていない。

Photo by iStock