「お前には6万円しかやる価値はない」

駐在中は会社から手当が出るので、経済的な余裕があった。それもあって、夫婦それぞれが週末、遊びに出かける暮らしはそれなりに回っていた。

子どもが5歳になって、日本に帰国した。
「駐在手当がなくなって、びっくりするほどお給料が減りました。とはいっても、住宅補助が10年間、毎月12万円も出るので、かなり恵まれているほうです。でも元夫自身、手取りの少なさにすごくショックを受けたみたい。それまでも元夫が財布を握っていましたが、お金にすごくシビアになって、生活費として6万円しか渡してくれなくなりました」

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6万円で、家族3人の食費、雑費、子どもの習い事費用などをまかなう。もちろん、これくらいの額で生活をしている人はたくさんいるだろうが、手取りが減ったといっても年収1000万円超えの家庭としては不釣り合いな額だと、りかさんは思った。

「帰国したばかりで買い揃えたいものもあるし、何より元夫がやらせたくて始めた子どものサッカーチームの月謝だけで1万2000円もする。だから、これじゃ足りないよ、と言ったんです。そうしたら、すごい勢いで反撃されて…」

「お前のやりくりが悪い」「お前には6万円しかやる価値がない」云々。酷い暴言だった。

もともとりかさんは、日本に帰国し、子どもが小学校に上がったら仕事を始めようと思っていた。だから、たとえもらう生活費は6万円でも、自分が働いて得たお金を足せば、生活していける。でも、問題はそこではない。「お前には6万円の価値しかない」という言葉に、りかさんは深く傷ついた。

6万円が辛いというよりも、「6万円しかやる価値がない」という言葉が辛かった…Photo by iStock