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藤井聡太の強さの秘密は、集中力と時間配分のコントロール能力にあり!

藤井聡太論 将棋の未来(2)
谷川 浩司 プロフィール

移動時間というハンデも乗り越えて

「自分には合っていた」と言うが、藤井さんはこの時間配分の感覚をどこで身につけたのだろうか。彼は奨励会時代に記録係を務めた経験がないはずだ。記録係は奨励会員が担当し、対局の傍らで棋譜を付け、それぞれの持ち時間を計測、記録する役割を持つ。

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私は中学1年からの2年間近くで、30局以上の記録を取った。タイトル戦も一局、王位戦の中原誠・勝浦修戦を記録した。そこで2日制の、当時9時間の持ち時間を体感し、1日制、持ち時間6時間の順位戦の記録係では深夜1時台に終わった対局の記録を取る経験もした。

しかし、藤井さんはその経験を経ていない。

 

使える時間に関して言えば、彼の場合は対局会場への移動時間というハンデがある。愛知県瀬戸市の自宅から東京や大阪の将棋会館に移動するには、前日か早朝に自宅を出なければならない。しかも彼は定刻よりもいつも早めに到着して対局が始まるのを待っている。

持ち時間の長短、経験の有無、ハンデのあるなしにかかわらず、与えられた条件の中でベストを尽くせるというのは、やはり才能の一つである。

次回は「29連勝で気づくべきだった」。藤井聡太棋士の連勝記録、そして連勝ストップ後にも反動がなかったことについて。
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第一章    進化する藤井将棋
第二章    最強棋士の風景
第三章    不動のメンタル
第四章    「将棋の神様」の加護
第五章    「面白い将棋」の秘密
第六章    AI革命を生きる棋士
第七章    混沌の令和将棋

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