コロナ禍の外出自粛による運動不足もあり、街や公園などでウォーキングをする人々を見かけることが増えた昨今。「歩くことは単に体の健康だけでなく、メンタルにもよい作用をもたらし、欧米では『ウォーキングセラピー』という歩きを取り入れた心理療法もある」と教えてくれたのは、スポーツトレーナーとして培った知識を生かし、身体機能を活性化しながら姿勢矯正し、身のこなしを美しく変える独自メソッドを開発したPROGRESS BODY代表の松尾タカシさん。

さらに松尾さんから、「日本人の歩き方は国際的な標準と比べると、私の知る限り、実は世界でもっとも下手」と衝撃的な言葉も出てきた。日本人は歩き方が下手? 歩き方の国際的な標準? メンタルにもよいウォーキング? それは一体どういうものなのかーー。そこで、松尾さんの最新著書『きれいに歩けば長生きできる 世界標準3Dウォークの奇跡』より一部抜粋して解説する。

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歩くスピードは、寿命のバロメーター

健康診断や人間ドックの問診票に「ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いですか?」という質問があることにお気づきでしょうか。実はいま、歩行スピードと健康寿命や長寿との関連性が世界的に注目されています。 海外の研究機関の発表によると、65歳の男性においては秒速1.6m (時速5.76km) とかなり速めに歩いている人の平均寿命は95歳以上、秒速0.8mの人は約80歳、秒速0.2mの人は約74歳と、歩行速度によって想定余命が約20年も違ってくるのです(出典:JAMA305(1):50-8,2011)。

また別の研究では、がんなどによる死亡リスクについて、歩行習慣により発生率が下がることも報告されています。有酸素運動であるウォーキングは、筋肉など体のエクササイズになるというだけでなく、心肺機能を向上させ、代謝も活発化しダイエットにもつながります。それらが複合的に影響し歩行と長寿との関連性が高まるのです。これから解説する全身を効率的に使う「3Dウォーク」で歩けばスピードが上がり、それにともない健康寿命や余命が延びていくのです。