日本の「大麻政策」、じつは「大いなる矛盾」が隠されていた…!

宮台真司、大麻を語る
宮台 真司, 大麻博物館 プロフィール

宮台 不安を埋め合わせるために、知り合いすらいないのに中国人や在日といったカテゴリーに反応して激昂する「言葉の自動機械」が増え、自分に関係ないのに違法な振る舞いに激昂する「法の奴隷」が増え、所属集団内のポジション取りに勤しんで公(public)を顧みない「損得マシン」が増えました。

コロナ差別やコロナイジメの背景にもそれがあります。個人の性能が低いところに、それを覆い隱してくれた条件が壊れた結果、「日本人の劣等性」が「日本の劣等性」として露わになっているんです。だから、以前にも増して合理性に従って制度を変えられなくなりました。

先進国でも日本だけが合理的な大麻政策が採れないのは、この劣等性が理由です。日本の政治が動くのは、政策の愚昧が国際的に嘲笑されて恥を晒したときだけです。政策の愚昧をSNSで海外に晒し、海外マスコミの嘲笑を煽るのがいいでしょう。「大麻は白か黒か」という周回遅れの議論の蒸し返しは、価値観についての本質的議論を回避するためのカムフラージュです。国内の力学だけに任せていたら本質的議論からの逃避を止められません。

関連しますが、各国の医療用解禁は実は「様子見」ないし「助走」です。医療用を解禁すれば、横流しで嗜好用に流れますが、嗜好用解禁に比べて小規模だから、急激な変化によるショックを避けながら、価値観についての議論のチャンスを呼び込めます。日本の場合、決着が着いた論争に粘着するよりも、こうした流れの全体を観察して、どんな人生がいいか・どんな社会がいいか、という価値観に関する議論にシフトすべきです。ただ、ヒラメとキョロメだらけの日本人にとっては、それが最も不得意なことなのですがね。

 

「閉ざされ」ていく日本社会

博物館 ただその一方で、私たちが政財界や投資家、マスコミの方々とお話をしていても、大麻に関心が高い人は増えている印象があります。これからも関心を持つ人が増えることはあっても減ることはないと思っています。

宮台 実は、3年前くらいにTBSラジオの番組「デイキャッチ」で海外の大麻事情や大麻を解禁するべき理由について話をしました。番組の中で突然大麻の話をしたのでディレクターは慌てていましたが、大手マスメディアで大麻のことを話したのは僕が初めてではないかと思います。

今では雑誌や書籍やインターネット配信などで、大麻が話題になる機会が著しく増えました。日本には「誰かが初めに空気を壊すこと」で物事が一気に進展します。それを狙いました。未だに五輪をやめられないのも、口火を切る有力者がいないからです。

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