2021.05.22
# エンタメ

「テレビ離れ」が急加速する時代、多くの人が意外と知らない「若者の価値観」

ラリー遠田, 原田 曜平 プロフィール

ラリー:やっぱり企業の側もビジネスでやっていることだから、お金を稼ぐためにはどこをターゲットにするべきかっていうところが、ものすごくシビアに見られるわけじゃないですか。だから、単純に誰が面白いかっていう好みの話じゃなくて、経済の話として若者向けの番組が増えてきているわけですね。

原田:ただ、僕はそのことでテレビ局が安易だなと思っているのが、若い人を出せば若い人が見ると信じすぎちゃっていることです。要は、今まで若者の動向を見ていなかったものだから、急にこういう時代になったことで、とりあえず若者を出しておけ、という感じで第七世代が消費されすぎている感じがするんですね。

若者研究をしている自分の感覚からすると、必ずしも若い人が出ていれば若者が見るわけじゃなくて、もっと中身が大事で。例えば、この1年間で若者に刺さった広告っていうのを分析すると、そのカテゴリーの1つに「かわいいおじさん」っていうのがあるんです。ポケモンのゲーム(『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT DX』)のCMで、浅野忠信さんが黄色いピカチュウの耳をつけているものとか。

おじさんであってもかわいいから見るっていうのがあるんです。TikTok上でもおじさんの動画が多かったりする。だから、若者を出しておけば若者が見る、というのは昔の発想だと思います。

最近、情報番組・報道番組のコメンテーターが大幅に若返っていますが、正直、活躍している若者とは言え、人生の引き出しが少なすぎて、大した話ができない薄っぺらい人が増えていると思います。バラエティだと良いと思いますが、流石に色々な引き出しや視点が必要となる情報番組・報道番組だと厳しい。

空気を読む天才だからそれらしく話はできるけど、実は自分の意見が実はほとんどない芸人さんと、流石に薄っぺら過ぎる若手コメンテーターを増やしている情報番組・報道番組は、表面上若者を取り込もうとしながら、実は本質的に若者のテレビ離れを促進させる方向へ向かってしまっていると思います。

 

ラリー:たしかに、テレビを見ていてそれを感じたことはあります。第七世代を取り上げるような番組にも二種類あって、本当に面白さのために信念を持ってやっている場合と、「若い芸人を出しておけば若者が見るだろう」みたいな感じで、出演者ありきで企画を進めてしまっているみたいなケースがありますよね。

ちょうど1年前ぐらいの第七世代ブームがピークの時期に、第七世代を取り上げる番組がいくつか出てきたんですけど、そこから長く続いている番組ってあんまりないんですよね。

やっぱり第七世代もただ出しておけばいいっていうことじゃなくて、その人のどういうところが若者に刺さっているのか、どういうふうに共感されているのか、っていうのをきちんと理解していないといけないんでしょうね。

原田:だって千鳥さんだってバナナマンさんだって若い人に人気あるけど、別に見た目も年齢もおじさんですもんね。

ラリー:そうですね。あと、原田さんの本の中で面白いと思ったのは、Z世代は「いじり」を受け付けない人が多い、という話でした。それもお笑いを見るときの感覚の違いに影響しているのかなと思ったんですが、いかがでしょうか。

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