“慰安婦問題”を追及する韓国に刺さった、「ベトナム人虐殺」というブーメラン

被害者の訴えは、事実上退けられた
羽田 真代 プロフィール

韓国の教科書では、慰安婦問題や徴用工問題は必習項目となっており、事細かく教えられる。しかし自らが加害者であるベトナム問題については、まったくと言っていいほど教育されていない。そのため、韓国軍による虐殺や強姦があったことすら知らない韓国人が多いのだ。

しかし昨今はインターネットの普及や支援団体らの積極的な活動によって、徐々に一般市民の間にも知れ渡ってきている。このようなベトナム戦争での問題に対し、韓国世論の中には「謝罪と補償を行うべき」という意見も多い。その中の一部は、

「自らの過ちを認め、賠償しないのであれば日本と同レベルだ」

「我々が日本と違うということを見せてやろう」

「日本とは違う道を歩もう!真相を解明し、韓国側に過ちがあったのなら謝罪をし、補償して責任を負わなければならない」

「日本の慰安婦、強制徴用に謝罪を要求するのであれば、我々も責任を負わなければならない」

といったように、日本を引き合いに出している。

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また虐殺問題だけでなく、韓国軍人とベトナム人の間に生まれた子ども「ライダイハン」が現地に置き去りにされた問題も、未解決のまま残っている。

2019年5月、ライダイハンのトラン・ダイ・ナット氏ら3名は、「国連人権理事会による問題の調査と、親子関係を確定するためDNA型鑑定に応じるとともに、公式な謝罪を求める」という公開書簡を文在寅大統領に提出した。しかし文在寅政権は沈黙を貫いていて、その後の進展はない。

目に余るダブルスタンダード

こうした問題に対して、加害者である韓国政府はもちろん、被害者側のベトナム政府も積極的に解決しようとはしていない。ベトナム政府が黙殺するのは、韓国企業による膨大なベトナム投資が理由と言われている。

昨年11月に発表された「2020年10カ月間 国家別対ベトナムFDI投資規模順位及び比率(大韓貿易投資振興公社)」によると、国別の対ベトナム投資の1位はシンガポール(75億1000万ドル、31.9%)で、2位は韓国(34億2000万ドル、14.6%)、3位は中国(21億7000万ドル、9.2%)となっている。

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