水素エンジンはハイブリッドのように大ブレイクするか?

トヨタは「ベンチがアホ」でも野球する
大原 浩 プロフィール

今から間に合うか?

1995年秋、トヨタは東京モーターショーにプリウスの名前でハイブリッドカーのコンセプトモデルを出展したが、1997年10月には世界初の量産ハイブリッド乗用車プリウスが発表された。ほぼ2年という驚くべきスピードだ。

しかも当時、トヨタ以外の自動車メーカーは、ハイブリッドは2つの駆動システムを搭載する非効率なものだと考えて眼中になかったのだ。

それを考えれば、近日中の「量産モデルの水素エンジン自動車」の登場も十分考えられる。

水素はガソリンよりもよく燃えるので、平たく言えば「燃えすぎ」が開発の上での難しさだが、水素エンジンに向いているとされるロータリー方式のマツダと提携関係にあることも強みである。

結論から言えば「アホなベンチ」が設定した期限に十分間に合うと考える。

水素ステーションは?

気になるのは、水素エンジン車に水素を供給する場所がどのくらいあるのかということだ。

2020年12月現在、135ヵ所の水素ステーションというのは、おおよそ3万拠点のガソリンスタンドに見劣りする。しかし、全国津々浦々で走る約25万台のタクシーの大部分がLPG車であるが、LPGスタンドは約1900ヵ所で十分だ。

FCVよりも普及の可能性が高い水素エンジン車の登場が、水素ステーション新設を後押しするかも知れないし、LPGスタンドが水素ステーションになることも十分考えられる。

LPGは、体積を気体の状態から約250分の1に圧縮する。LNG(液化天然ガス)は600分の1、液化水素は800分の1である。圧縮比は異なるが、ガスを液化する技術には共通性がある。

特にLNGにおいては、島国である日本はパイプラインでの天然ガスの輸送が難しいので、LNG船で産地から輸入するための「ガスの液化技術」がすぐれており、世界最高峰ともいわれるほどだ。

また、水素ステーションには「オフサイト」と「オンサイト」の2種類がある。

 

「オフサイト」は、外部から水素を運び込む。「オンサイト」はその場で水素を製造するのだが、水素のもととなるのは化石燃料である。LPGも化石燃料の1つであり、オンサイトで水素製造が可能な点もLPGステーションが水素供給場所として期待される理由だ。

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