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# 新型コロナウイルス

ワクチン接種「カネならいくら使ってもいい」菅首相と医師会の関係

進まないのはカネの問題だけなのか?

首相、頭を下げる

ゴールデンウィーク直前のこと、ある自治体の首長と副首長のところにそれぞれ別の高級官僚から電話がかかってきた。「総理が何としても7月末までに高齢者への接種を終わらせて欲しい、カネならいくら使ってもいい、と仰っています」――。

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4月23日の記者会見で菅義偉首相は65歳以上の高齢者へのワクチン接種について「7月末を念頭に終える」と表明した。ところが、政府が全国1741の市区町村を調査したところ、7月末に終えられると回答したのは当初、4割以下の約650にとどまっていたという。それを受けて官邸から「個別撃破」が始またというわけだ。

当初、自治体は、接種計画が組めない理由としてワクチンの供給量が2週間後までしか分からないことを理由に挙げていた。これは、厚生労働省が導入した「ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)」の基本設計が不出来だったため。接種体制を組もうにもワクチンがいつ来るか分からず、会場や人員の手配ができない、ということだった。

これに対して、河野太郎・ワクチン担当相が4月30日の会見で、6月末までに高齢者3600万人分の接種に必要なワクチンを配送するスケジュールを公表。高齢者の人口割で自治体に配分する計画をアナログで作って自治体に示したのだ。河野大臣は「全高齢者が2回打つことができる量のワクチンを6月の末までにそれぞれ自治体にお配りする」と説明した。

これまでネックとされてきたワクチンの配布にメドが立つと、改めて接種体制の不備が浮かび上がった。ワクチンがあっても接種する医師、看護師が足らない、という問題だ。これは、ワクチン接種が計画された当初から問題視されていたことだが、対応は後手々々に回っていた。というより、病院の病床提供と同様、政府は医師会に「お願い」することしかしてこなかったのだ。

さすがにしびれを切らしたのだろう。菅首相は4月30日に首相官邸で日本医師会の中川俊男会長や日本看護協会の福井トシ子会長に会い、ワクチン接種への協力を重ねて要請した。

 

「全国の医師会、看護協会にもう一度働きかけをいただきますように心からお願いを申し上げます」

そう述べると、菅首相は深々と頭を下げて見せたのだ。この様子はテレビニュースでも伝えられた。

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