2021.05.19

6Lの枡でぴったり1Lを量る方法は? 伝統的な「和」の雑学数学お教えします

覚えて帰ろう〈雑学数学〉
横山 明日希 プロフィール

1つの容器で油分け算を実現させる魔法の道具

日本の数学、和算において油分け算が有名ですが、和算よりもさらに古く、約1300年の歴史があるとされているある容器の話をここで紹介しましょう。

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「枡」という、今ではお祝い事でお酒を入れるときに使われることで見かける程度になってしまったこの道具、実は数学的に興味深い活用方法があるのです。作られた当時からこのような使われ方をしていた、というわけではないのですが、たとえば円柱型のバケツやコップなどと比べると、直方体のこの形状を活用することで便利にはかることが可能です。

たとえばちょうど6L入る枡があるとします。この容器を使って、1Lから6Lまでをはかることができるのです。

わかりやすく、以下のような図を用いて考えましょう

その方法は以下のとおり。

1L:水面がBEGを通るよう斜めに傾ける。残った量が1L。

2L:水面がBCHEを通るように横に傾ける。続いてBEGを通るように傾けたときにあふれた量が2L。

3L:水面がBCHEを通るように横に傾ける。残った量もあふれた量も3L。

4L:水面がBCHEを通るように横に傾ける。続いてBEGを通るように傾ける。はじめにあふれた水と、最後に残った水を合わせると4L。

5L:水面がBEGを通るよう斜めに傾ける。あふれた量が5L。

6L:そのまま満タンに入れた量が6L。

いかがでしょう。実にシンプルな行程で様々な量をはかることができてしまいます。

念のための補足ですが、3Lをはかる方法のときにちょうど直方体を半分に切ったような水面の形状になっているから3Lをはかることができます。

1Lをはかるときは、底面積が半分で高さがもとの直方体と等しい三角錐ができているので、もとの直方体の半分のさらに3分の1である6分の1の体積をはかることができている、ということです。

今となっては計量カップという便利な道具があるので日の目を見ることが減った道具となってしまいましたが、立体図形を学ぶ上で実際にやってみてもよいでしょう。同様に油分け算も実用性は少ないですが、数学とのつながりがあるとなると、パズル感覚で向き合うことがより意義を持ってできるはずです。

「量をはかる」という雑学数学で2つ紹介しました。生活に根付いたテーマでもあると思いますので、ぜひふとしたときに思い出してみてください。

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