ワクチンの“予約地獄”を解消するため「早い者勝ち」方式をやめよ

銀行取り付けと同じ心理が生まれている

ワクチン予約が多くの自治体で始まったが、ネットも電話も繋がらず、混乱が起きている。高齢者だけを対象にする予約でもこうなるのだから、対象者を広げた場合には、想像もつかない大混乱が起きるだろう。

予約申し込みが集中するのは、「早い者勝ち」だからだ。そこで、「まず申し込みだけさせて、後から結果を通知する」という方式に改めるべきだ。

by Gettyimages

「繋がりにくい」のでなく、「全く繋がらない」

5月9日公開の「『ワクチン3重敗戦』で⽇本⼈は国際社会から締め出される」で、日本は、「開発できず、獲得できず、接種できず」の3重敗戦を喫したと書いた。

しかし、「敗戦が3つだけ」というのは、私の認識不足だったようだ。もう1つの敗戦が、いま進みつつある。

それは、「接種の予約ができない」ことだ。

正確に言うと、「予約センターまで辿り着けず、混乱が起きている」のである。報道では、「各地で予約センターにつながりにくい状態」と表現されている。

しかし、「繋がりにくい」という表現は、正確でない。報道されているだけでも、 神戸市や名古屋市では、電話でもインターネットでも全くつながらず、不安にかられた住民が、市役所や区役所に押し寄せた。

横浜では、予約開始から45分間でサーバーがダウン。全く予約できない状況になった。2日後に再開したが、数時間で予約枠が一杯になった。

首都圏の各地に住んでいる私の友人たちの話では、これまで予約できたのは2人のみ。あとは、全くつながりながらない状態だった。

私自身の経験は、つぎのとおりだ。PCを2台準備して、予約開始時刻ジャストに接続。このときは接続でき、IDとパスワードを打ち込めた。 しかし、ログインできない。2回目からはサイトを開けなくなった。暫くすると市のHPもダウンしたらしく、状況が全く分かなくなった。

電話も2台準備。掛けると、予想通り「混み合っているいますから掛け直してください」とのNTTの案内。つまり、市役所には繋がらない。ごくたまに市役所のコールセンターにつながることがあって、「オペレーターにつなげます」という案内があるが、すぐに「混み合っているから掛け直してください」になる。

ネットでも電話でも、繋がらないことは数秒で分かるから、すぐに再試行し、1分間に何十回もトライする。このため混雑がさらに激化して、悪循環に陥る。

 

予約電話がかからなくなっただけではない。多くの自治体が予約受付を開始した5月6日や10日には、東京都などで通話が急激に増加し、消防や警察への緊急電話を確保するためにNTTが固定電話への着信制限を行なった。このため、通常の電話(役所や病院なども含む)もかかりにくくなった。

コロナ予約騒動は、社会生活の基幹にまで重大な悪影響を及ぼしたのだ。

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