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年商160億円“急成長”のウラに政官工作…? 東京地検特捜部「復讐戦」の深層

ゴールデンウィーク前の4月27日、東京地検特捜部が再生エネルギー関連を手掛けるテクノシステム(本社・横浜市)に家宅捜索に入り、騒然となった。

テクノシステムが小泉純一郎元首相を広告塔にした「政治銘柄」であるのは、筆者が本サイトで<菅首相の金融アドバイザーの子会社と小泉ファミリーの支援会社が絡んだ「投資案件」の詳細>(4月8日配信)で指摘した通りである。

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金融アドバイザーとは、SBIホールディングス(SBIHD)を率いる北尾吉孝社長のこと。菅義偉首相の目玉政策のひとつである地銀再編は、北尾氏のアドバイスによるもので、SBIは島根銀行、福島銀行などに出資、「第4のメガバンク構想」をぶち上げている。

地検特捜部が狙うに相応しい役者は揃っている。同時に再生エネルギーとソーシャルレンディング(SL)は、東京地検特捜部にとって“復讐戦”である。

ネット上に開示された情報をもとに、投資家が事業資金を貸し付け、配当を得るのがSL。短期小口高利が魅力となって投資家を引き付け、一時は、急成長したが、安易な甘い計画で投資を募る業者が多く、被害者が続出、金融庁は業務改善命令を頻発させた。

また、そんな状況に刑事面から釘を刺すように、東京地検特捜部は19年8月、太陽光など再生エネルギーで急成長したJCサービスへの捜査を本格化させた。

同社を狙った理由は、第1に許認可や売電権などを巡って不正の多い太陽光業者であること、第2にビジネスモデルが崩れて被害者続出のSL業者であること、第3に細野豪志元環境相らと付き合いのある「政治銘柄」であること、などだった。

だが、捜査は刑事事件化することなく尻すぼみに終わった。

 

急成長のウラに政官工作?

今回、テクノシステムはその3要件を備えている。

入口は、金融機関に対し、ウソの書類を提出、約4億円のバイオマス関連の事業資金を引き出したという融資詐欺だが、テクノシステムの生田尚之社長が、「水・食・電気」に力を入れ、『SDGsが地方を救う』という著書もあり、幅広い人脈を誇るだけに、「特捜が年商160億円に急成長した背景を探れば、政官工作に行き着くのではないか」(検察関係者)という見方がある。

生田氏の“工作”のひとつが、民主党政権下の12年10月、金融庁を所管する金融担当相として初入閣した中塚一宏氏を<シニアアドバイザー>として迎え入れていることだろう。

中塚氏の名刺には「シニアアドバイザー(前金融担当大臣)」とある

「中塚さんとは名刺交換し、金融行政のことなどを話しました。テクノ社はSLで資金を集めており、その前担当大臣がアドバイザーというんだから、信用力アップに貢献したのは間違いありません」(金融業者)

09年にテクノシステムを設立、浄水システム、フード関連システムなど「水」と「食」を手掛けていた生田氏が、事業を急拡大するのは、太陽光など再生エネルギー関連事業に進出してからだった。

再生エネルギーに特化したコンサルタントの玄海インベストメントアドバイザー(現Renewableエナジーインベストメント)を率いる文智勇代表と出会い、そのアドバイスを受けて再生エネルギーに本格進出。玄海社がSBIグループのSBISLと再生エネルギーで協業していることから、SBISLのプラットフォームで資金調達するようになり、急成長を遂げた。

18年(11月期)、19年といずれも売上高160億円を達成、生田氏は上場を視野に入れ、SBI証券を幹事に上場準備に入った。また、SBIグループには再生エネルギーを手掛けるSBIエナジーがあり、前述の中塚氏が政界引退後、SBIグループ入りし、同社の社長を務め、出口戦略(テクノ社の物件売却先)も担っていた。

 
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