バスケBリーグ改革の“立役者”が参入! ハンドボールが今、ビジネスで“熱い”ワケ

スポーツビジネスで“熱視線”
大島 和人 プロフィール

アリーナはスタジアムに比べて建設費が安く、稼働率を上げやすい。天然芝の養生に神経を使う必要がないため、設営もしやすい。場内の演出、光や音の活用はスタジアムでの演出に比べて容易で、観客と選手との距離も総じて近い。JHLの公式戦は8月末から3月の開催だが、屋内は気象条件と関係なく快適に過ごせる。

葦原は規模、コストの観点からこう述べる。

「日産スタジアムの建設費が600億円くらいで、稼働率は30%〜40%だと思います。アリーナは基本的に安く作れる。(1万人収容の)沖縄アリーナが170億円で、ハンドボールは2、3千人の収容規模で全然いい。エントリオで50億円くらいです」

豊田合成記念体育館エントリオは2020年9月に愛知県内にオープンした最新のアリーナだ。ハンドボールの豊田合成ブルーファルコン、バレーのウルフドッグス名古屋、男子バスケ豊田合成スコーピオンズのホームとして活用されている。JR稲沢駅から至近の好立地で、レストランやコンビニも併設された複合型施設になっている。座席数は3千強という規模だ。

豊田合成記念体育館エントリオ/(C)豊田合成株式会社
豊田合成記念体育館エントリオ/(C)豊田合成株式会社
 

ビッグネームなら話は別だが、普通のアーティストがコンサートをやるなら3千人の規模はちょうどいい。各競技のオーナー企業にとってもコスト的なハードルが低く、投資がしやすい。葦原は未来を見据えてこう説く。

「中小規模のアリーナならビジネスは非常にやりやすい。土地さえ見つかれば安く作って、稼働率を高められるので、優位性は極めて高いはずです。可能性がものすごく大きいなと感じています」

豊田合成は傘下の3チームこそ実業団スポーツだが、ソフトとハードの先駆的な一体経営を実践している。葦原は自らが経験したプロ野球を例に、ソフトとハードの分離から生じる非効率を説明する。

「例えば営業活動。スタジアムと球団のスポンサー営業はよくバラバラに動いてしまうんですが、一緒にやったほうが当然いい。球団が売りたいのはユニフォームとかマッチデー(のスポンサー)、シーズンシートです。

でも球場側は看板を売りたい。地元の人からしたらチームだろうと球場だろうと『同じところが来た』と思ってしまうから、まとめて提案しに行ったほうがいい。管理部門は一緒になったほうが安いから、コスト上の最適化もされます」

一体経営を実現させる難易度は無視できないし、現状はプロ野球に次いでBリーグがようやくその方向に動き出した段階だ。ただ間違いなく、これは日本のスポーツビジネスが目指すべきモデルだ。ハンドボールは中小規模のアリーナと親和性が高く、競技の興行価値が上がれば一体経営を実現し得る。

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